カルテ番号 へ・1(11)
「樋口さん、私は山に関しては素人です。
もしよろしかったら、今後、何かと相談に乗っていただけたらありがたいのですが」
樋口はあっさりと言った。
「私でよければ、いつでもどうぞ。
これが私の電話番号です」
そして肩書きのない、名前と電話番号だけの名刺をくれた。
辺見豊も反射的に名刺を出そうとして、
「そうでした。
もう私は名刺を持っていなかったのでした。
まだ過去の習性が残っていたのですねぇ」
と言って、手帳を丁寧に破って、自分の電話番号と名前を書いて渡した。
一緒に食事をしながら、話がはずんだ。
2年前の退職以来、こんなに楽に話をした相手はいなかった。
辺見豊にとって、今まで出会ったことのないタイプの人だった。
その理由の一つが、社会的な立場に関係しない相手だったからだ。
というより、お互い、社会的な立場が無いに等しいからのような気がした。
樋口は、辺見豊よりも5つ若い65歳とのことだった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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