カルテ番号 へ・1(13)
樋口は言った。
「いいですが、私の体験は私の場合だからだと思います。
人が変わるのは幾つもの種類があると思います。
瞬間的に変わる事も、少しずつ変わる場合もあるでしょう。
一つの言葉、一つの体験で変わる事もあるでしょう。
ある場所、ある人、ある方法で変わる事もあるでしょう。
ですから、辺見さんの参考になるかどうかはわかりません」
辺見豊は、樋口の言葉が深く、広く、やわらかだと気づいた。
この人は、とてもただの山好きだけとは思えない。
自分を客観的に観ている。
そして、他人も客観的に観ている。
通常は、自分も他人も主観的にしか観ていないものだ。
言葉を交わして僅かの時間なのに、辺見はこの樋口という人を尊敬した。
樋口は食後のお茶を飲みながら、ゆっくりと話し始めた。
「私は迷っていたのです。
この歳になるまで、ずっと山を追いかけていました。
結婚もしていませんから、子供もいません。
財産や何かを成し遂げた成果や足跡もありません。
いわば、社会的には、落ちこぼれという部類ですね」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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