カルテ番号 へ・1(20)
辺見豊は家政婦に言った。
「ちょっと意見を聞きたいが、いいかな?」
「何だか分かりませんが、私の考えなど、とても参考になどなりませんよ」
「それでもいいから、正直に思った事を答えてくれないか?」
そして、樋口という男と出会い、ある治療院を紹介された話をした。
そこに行くかどうかを迷っている、と話した。
家政婦はあまり考えないで言った。
「私には難しい事はわかりません。
でも、旦那様は活動的に外に出て、いろいろな人と出会う方がいいと思っています。
奥様が無くなられて、家に閉じこもっていました時もそう思っていました。
奥様に対して、かまってやれなかったと後悔していましたが、それは勘違いです。
奥様は、旦那様が外で活動的に飛び回っているのが好きだったのです。
多くの人と出会って、会社の為に働いている姿が好きだったのです」
辺見豊は、改めて家政婦の言葉をかみしめていた。
何故、もっと早く、この家政婦に訊ねなかったのだろう。
家内に一番近くて、一番長く一緒にいたのは、この家政婦だったのだ。
家内の事を一番良く知っていたのは、この家政婦だったのだ。
その言葉は、家内の心情なのだろう。
「ありがとう」
それしか、言えなかった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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