水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・124」

2014-02-18 19:35:51 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(8)

愛田恵子は日本の幕末から現在までの激変の時代を見てきた。
もっと穏やかに幸せに暮らせるはずの近代化が、苦しみと悲しみに満ちていたのを知っている。
多くの国民に苦しみを味あわせ、現在も苦しんでいる国民が多い原因の人達を見てきた。
苦しみを解消したり、軽減できる立場の権力者が、実にお粗末なのを知っている。
次第に人には深く入り込まない性格になるのだ。

陽水は生れ付きかもしれない。
深くは入り込めない。
軽く、浅くが最も生きとし生ける者への付き合い方だと思っている。
特に死を身近にした相手には、深く係わると相手が苦しみになる事を知っている。
ほとんどの人が付き合い方を逆にしているようだ。

「センセー、これからどうするの?」
陽水は少し困った顔をした。
「自分勝手に生きる、かな」
「アタシも同じだ。目立たぬように自分勝手に」
「愛田さんは充分目立っているとおもうけど」
「だから、これからは注意するわよ」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・123」

2014-02-17 19:09:06 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(7)

愛田恵子はつぶやくように言った。
「当たり前の寿命を精一杯生きられれば充分だし、それが最高の幸せの長さなのよね。
それなのに、あのバカ共、出来れば不老不死まで願うなんて何も解っちゃいない」
超長寿を目的とした秘密結社のことだった。
愛田恵子の店にそのメンバーも来る。
日本の政界、財界、裏財界のトップ達だ。
裸になれば、つまらない連中だ。

偶然にこの長寿体質のなってしまったが、人の世は嬉しさ楽しさもあるが、一人だけ長く生きれば、悲しさや寂しさ、そして人の苦しさまで見なければならないのだ。
人はあまりに幼く、愚かで、そして弱い。
愛田恵子は多くの優れた人が血を流し合いながら明治時代になったところを見ている。
寺田屋のお登勢として好きだった竜馬もその一人だった。
その後の数々の主に権力争いがあり、やがて争いを他国に求めていく時代になった。

他の国も軍力を増強させ、思想を縛り国をまとめた。そして第一次世界大戦となる。
権力はそのまま戦争の勝ち負けという魔力に魅入られたまま、第二次世界大戦に突入する。
戦争は勝とうが負けようが、多くの人を殺す行為だ。
多くの人が悲しみと苦しみを増やす行為だ。極々一部だけが笑う。
苦しみ、悲しみ、残念の上に幸せな国など栄えるはずもないのに、未だに戦争は続いている。
まだ愚かな人が権力を求めて国を動かしている段階なのだ。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・122」

2014-02-16 18:54:08 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(6)

陽水は言った。
「私は生命が厳しい状況の人達と縁がある立場です。
どうしても死と向き合うのです。だから生き方とも向き合ってしまいます。
死と向き合わなかった頃、私も心地よい生き方の言葉に反応していましたよ。
でも、それは何かを成した人の言葉がほとんど。
実際に死を目の前にして、同じ言葉は言えないですよ、軽すぎて。
人とは、こうして生きるのが本当だ、なんて、いろいろな立場を知ったら言えません。
言えるのは、生命を最後まで慈しみ、大切に生きましょう、って事だけでした」

愛田恵子は納得の表情だった。
「長寿も短命も同じかぁ。ホント、楽になるわぁ」
「まぁ、生命を大切にすると長寿族は知らなくていい悲しみも味わうわけですが」
「それを、新米のセンセーが私に言う?」
「面目ない・・・」

愛田恵子の180年は愛する人、親しい人との別れを通常の人生より多くしてきた。
長寿になってからは子孫を残せない身体だ。
ましてそれ以前から子供を持たなかった。
長寿族は多くの子孫に囲まれるのではなく、逆に血筋からは孤立するのだ。
長くを観る、というのは、孤立するということでもあるようだ。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・121」

2014-02-15 19:08:02 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(5)

愛田恵子は天然ボケのまま鋭いことを言う。
「何でもOKのセンセーが、政治行政だけは毒舌になるよね~」
陽水は笑った。
「私、本当は様々に毒舌なんですよ。斜に構えるし、下品好きだし」
「立場上、静かにしているのね。その点、アタシは言いたい放題」
「はい、あこがれています・・・」

「それで、長寿に限らなくてもいいけど、生き方の話をして」
陽水は愛田恵子とは楽でいられる。
同じ長寿族のせいか、愛田恵子の雰囲気か。
「生き方は、多分一つだけ。生きとし生きる」
「よく聞く言葉よね」
「他の人がどういう意味かは判りませんが、私は生命力を精一杯慈しみ、愛おしむ生き方だと思います」
「それだけ?」
「それだけです。生きた証なんて趣味の問題でしょ」

愛田恵子は嬉しそうだった。
「アタシの店、結構偉い人達来るのよね」
「そうみたいですね。政治家、作家、学者、その他いろいろな偉い人」
「時々、人の生き方みたいな話になるの」
「はぁ」
「いい事言うのよねぇ。でも、それは全員にあてはまらない。
センセーの話なら、全員、ううん、生き物全ての当てはまるわ」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・120」

2014-02-14 19:02:10 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(4)

「センセーはどう思う?長寿族の生き方」
陽水はいつもと同じくゆっくり話し出した。
「長寿だろうが、短命だろうが同じですよ。
1年でも1000年でも46億年の地球からみれば大して違いはないですし」
「そうか、人間を基準にみてしまうとアレコレ考えてしまうのね」
「生きている、という立場はみな同じなんです」

120歳上の愛田恵子に対して、その笑顔はいつも以上に優しい。
「人間は生きている意味をアレコレ考えますが、生命は遥かに大きな仕組みからのもの。
考えるのは勝手ですが、それは趣味の領域だと思いますよ。
人間の範囲を超えたモノを人間が解明するのは畏れ多いと思います」
愛田恵子は言った。
「それ、宗教とか哲学とかが無用ってこと?」

陽水は少し言葉を止めて、選びながら話し出した。
「宗教も哲学もその他の何もかも、人の苦しみを軽減する為にあるものですよね。
その基本を外れて、どんどん偉くなったつもりで深く高く求めるのは無用でしょうね」
愛田恵子はからかうように言った。
「この世に無駄なモノはない」
「いいえ、無駄や無用なモノは数限りなくあります。
例えば無駄な争い。無用な政治家」
「出た、センセーの毒舌!」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・119」

2014-02-13 19:35:37 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(3)

「種が絶滅の危機になった時、長寿は子孫を絶やさない為にあるのかと思ったら、違うのね」
陽水は笑った。
「他の生物の長寿族もそうだけど、むしろ子孫は残せないようですよ」
「人間の46歳からの発動は女性にとって妊娠は厳しいものね」
「長寿族の男性も子供は作れないみたいです。普通なら作れるのに」
「何の為の長寿族なのかしら。生物に一定割合でいるのなら・・・」

「知恵というか、情報なら残せますよ」
愛田恵子の目が開いた。
「そうか、村の何でも知っている長老の役目か」
陽水はまたも笑った。
「他の生物なら、その知恵は貴重で役にたつけど、人間はダメですね」
「そうなのよ。秘密結社じゃないけど長寿族は撲滅されてしまうわ。
人間は同じじゃないと嫉妬するから・・・」

今までも長寿族は殺されてきた。
中世の魔女狩りのように、異端な能力者は悪魔の手先とされたのだ。
他の国も日本も同じだ。権力者は恐れから殺した。
特に国を団結させる時は、個性を無くさせる方針で行政をする。
治める側よりも能力があってはいけないのだ。
国の方針に逆らったり、違う事を言ったりするのは異端とみなされる。
団結は戦争の準備に必要不可欠だからだ。
自由の国など作っては国は統治できないし、他にも攻める事ができない。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・118」

2014-02-12 21:42:46 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(2)

とにかく、秘密結社が万能細胞に方針を変えてくれたならありがたい。
我々はそっとしておいて欲しいのだ。
愛田恵子は陽水の顔を見ながら言った。
「それにしても、アタシ達がこうなっている意味が理解できないわ」
「私も理解などできてないですよ。勝手な想像ならありますが」
「それを急に聞きたくなって来たのよ」

愛田恵子は考えながら言った。
「寿命の長短って何に影響するのかしらねぇ」
「地球という規模から考えると、他の種族に影響するのが第一でしょうね」
時間は他と比べるから影響がある。
自分だけなら、1年も1万年も意味はない。
我々の場合、他というのは同じ人間と他の生物と二つある。
同じ人間だが、寿命が大きく違う。

「一つの種が散らばるのは、天変地異などがあった時に生き延びる為でしょ」
「そうですね。その場所の環境に適応するように変化もしますね」
「暑い地方は色が黒くなったり、寒い地方は毛が多くなったり」
それは植物や小動物なども環境に適応する変化をしてきている。
そして、一つの種は他の種に必ず係わり、地球は多種多様が混ざり合って成り立つ。
人間は他の動植物や鉱物や地球そのものへの影響力が特に強い。
今の人間のレベルでは、それは大迷惑となっているのが事実だ。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・117」

2014-02-11 18:53:37 | Weblog



カルテ番号 あ・28 3度目(1)

「センセー、元気~。また来たよ~」
愛田恵子のテンションはいつでも高い。
風間陽水よりも120歳年上で、同じ長寿族だ。
銀座のクラブのオーナーママをしている。
自由気ままな言行で、気が向くと何処かに出かけてしまうらしい。

「元気補給してね。いい話持ってきたから」
陽水は苦笑いをする。
「はいはい」
「この前の秘密結社の話、あったでしょ。あれ、半分壊れたから」
政界、財界、裏社会のトップが不老不死を求めて研究所と情報活動をしていた。
古今東西、長寿人の噂はある。権力と財力を持つと永遠の命を欲しがる。
権力も財力も死んだら持っていけないからだ。
いわゆる、往生際の悪い連中だ。

「最近話題の万能細胞があるでしょ。そっちに学者を入れ替えたらしいわ」
「まぁ、そうでしょうね。でも、仮に応用できたとしてもかなり先の話ですけど」
愛田恵子はほがらかに笑った。
「どうして日本の最高権力をもっているのに、ああも阿呆なのかしらね」
「権力は判断力を狂わすようですよ。私に持たせてみれば私でも狂ってみせますよ」
「センセー、冗談言うのねぇ~」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・116」

2014-02-10 18:48:34 | Weblog



カルテ番号 こ・2(11)

風間陽水は静かに話を続けた。
「病気を早く治して、と言うのですが、本人の選択は病気の方向。
治すのも病になるのも健康になるのも本人が選択して行うものなのです。
例えば病は嫌だと言いながらタバコを続けるのは、病を選択しているのです。
病になるのも、タバコを吸うのも法律違反ではありませんし、病は嫌だという言葉と行いが違うのも人には普遍的にあるものです。
さて、そこで小泉さん、どうします?」

小泉武雄は自分の甘さを思いっきり指摘されているようだった。
そして、健康になろう、と決心した。
回復したい、治りたい、ではなく、健康になる、だ。
「先生のおっしゃること、よくわかります。
肺を片方失ってしまいましたが、まだ片方ありますし、何よりも生きています。
これから、自分次第でどうにでもなれる、というのも信じられます。
もう一度、いろいろな人から学びながら、教えを乞いながら、健康になります」

家に帰った小泉武雄を見て、妻と息子は驚いた。
そこには入院以前よりも生き生きとしている姿があった。
小泉武雄はまだ身体の回復途中だが、やりたい事や知りたい事、新しい事に出会いたい事などが次々と湧いてきた。
まるで子供の時に戻ったかのように夢が多くなってきた。
これからだ。人生は、面白い。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・115」

2014-02-09 19:19:09 | Weblog



カルテ番号 こ・2(10)

「先生、肺が痛くなってきました」
「隠れて残っている癌のバリアが外れたからですよ。
氣功を止めれば痛みは感じなくなりますが、もう少ししておきましょう」
取るのは本人。小泉武雄は意味が何となく解る気がする。
する、しないは本人の決めることなのだ。
「お願いします」

風間陽水がゆっくり話しだした。
「私も治療を始めた頃、病の状態がわかるようになったのです。
クライアントさんが持っている病は治療すると小さくなります。
ある程度まで小さくなると、本人は何の不都合もなくなります。
ですが病が消えてわけでなく、最後の段階なのです。
そこで治療を止めて、来なくなるケースがかなりあります。
何故、完全に回復しないのだろうか、と思いました」

肺はかなり痛い。だが、この痛みは治療の成果だと思った。
風間陽水の話は続く。
「やがて、クライアントさんは病を治したいよりも、不都合が無くなるのを優先するのだ、と気付きました。
例えば風邪。風邪を治すよりも、熱や咳やその他の不都合が無くなればいいと。
症状が無くなってから2日安静にすれば、ほとんど治りますが、それはしない」
そして、笑った。
「そして、私は御師匠様からの言葉を思い出したのです。
人には病になる権利がある。治すだけが選択肢ではない。
私はそこで、その人の生き方を敬うようになりました。
自分の価値観を押し付けるのは不遜だと」


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