福島第1原発3号機圧力容器の一部で急激な温度上昇 保安院「直ちに問題はない」
きょうのニュースでは「3号炉圧力容器のフランジと呼ばれる接続部分が、2日間でおよそ80度、温度上昇。原子力安全・保安院は、直ちに問題はない」とはいうものの、その原因や影響については不明としている。
どの炉も決して油断できませんが中でも3号機は、特に心配です。そてはプルトニウムにウランを混ぜたMOX燃料を再利用したプルサーマルだからです。
プルトニウムについてもっと知りたかったので、今から17年前、1994年発刊の広瀬隆氏が訳した『プルトニウム人体実験』を読んでみました。
プルトニウムは、惑星の冥王星(Pluto)にちなんで命名された94番目の人工元素。冥王、つまり死後の世界の王、という意味。比重がきわめて高い元素、融点640度、生まれは1941年米国カルフォニア大学バークレー校。プルトニウムは地上で最も毒性の高い化学物質というわれている。プルトニウム239は半減期は24,065年で核兵器、原発用、プルトニウム238はさらに放射レベルが高く宇宙での熱源や発電用。
『プルトニウム人体実験』(原題The Plutonium Experiment)は米国のAlbuquerque Tribune紙の女性記者アイリーン・ウェルサム(Eileen Welsome)が、マンハッタン計画の一環としてプルトニウムによる人体事件を追った取材レポート。彼女は、これによりジャーナリストの最高級栄誉といわれているピューリッツア賞を受賞している。
詳細は置くとして、核兵器としてのプルトニウムは、1945年8月9日長崎に投下された原子爆弾だ。それに先だって約1カ月前の7月16日、プルトニウム製原爆実験がニューメキシコ州アラモゴードで行われている。18人の人体事件も同じ時期、同年4月から始まり1947年にかけて。自国の兵士や医療関係者、科学者たちを守るためが大義のようだった。
訳者の広瀬隆氏は「(プルトニウムを使った)このような科学を輸入し、高速増殖炉『もんじゅ』の臨界報道に喜ぶ日本の原子力学者たちは、本書の主人公(人体事件を行った医師たち)とどこがちがうのか。それを知らなかったわれわれ日本人にこれから何が起こるのか・・」1994年の言葉であります。。
マンハッタン計画―プルトニウム人体実験 | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |