スペインの画家ムリーリョ作「ロザリオの聖母子」から。
あるブログで取り上げてあった、神の足跡を詠った詩『砂上の足跡』を読
み、私はとても感動した。
私はキリスト教徒ではないのだが、「これはいい詩だな~」と思うと矢も盾も
たまらず、早速、詩の全文を捜し出してきて、ここに取り上げてみた。
我々の行く手は、決して平坦な道ばかりが続いているのではない。
むしろ山あり谷ありで、苦しみや辛さ、深い悲しみ、そして時には絶望感に
打ちひしがれることさえ、待ち受けているものだ。
そんな時、この詩は「生きる勇気と希望」を与えてくれる詩である。
『足跡』(Footprints)
ある晩、私は夢をみていた。
夢の中で私は、神と並んで浜辺を歩いていた。
そして空の向こうには、私のこれまでの人生が閃光のように、映し出さ
れては消えていった。
どのシーンでも、砂の上には二組の足跡が残されていた。
一組は私自身のもの、もう一組は主(神)のものだった。
人生の最後のシーンが映し出されて目の前から消えていくと、私は振り
返り、砂上の足跡を眺めた。
そして、私の人生の道程には、一組の足跡しか残っていない場所がいく
つもあることに気づいた。
しかもそれは、私の人生の中で、最も辛く、悲しいときであったのだ。
私の心は、疑いと悩みで乱れ、神にそのことを尋ねてみた。
「神よ、私があなたに従って生きると決めたとき、あなたはずっと私と
共に歩いてくださるとおっしゃられました。しかし、私の人生のもっと
も困難なときには、いつも一組の足跡しか残っていないではありません
か。私が一番にあなたを必要としたときに、なぜあなたは私を見捨てら
れたのですか。」
神はやさしく答えられた。
「わが子よ。 愛するわが子よ。 わたしはあなたを愛しており、 あなた
を決して、ひとりにはしなかったのだよ。あなたの試練や苦しみのとき
に、一組の足跡しか残されていなかったのは、その時はわたしがあなた
を背負って歩いていたのだよ。」
サラブライトマンの「アベマリア」