昨夜は年末の忙しさから解放され、少し古い映画だが「グレース・オブ・モナコ」をレンタルしていたので、ゆったりとした気分で鑑賞をした。
この映画は、ハリウッドのオスカー大女優・グレース・ケリーの半生を、史実に基づいて制作された、ノンフィクション映画である。 グレース・ケリーは巨匠ヒチコックに愛され、女優として押しも押されもしない人気の絶頂で、スターの座を捨てモナコ公妃となった。
<あらすじ>
オスカー女優のグレース・ケリーはモナコ大公・レーニエと恋に落ち結婚します。 ある日、ハリウッドから新作映画「マーニー」の出演を求めて、ヒッチコックが訪れます。 出演することに反対されると思っていたグレースでしたが、レーニエは認めます。 しかし、自分で責任を負うようにと話します。 公表すれば国民が大騒ぎになってしまうため、しばらく内密になります。 その頃、モナコは大変な状況に立たされていました。 アルジェリアの戦争が長引いていて、フランス大統領のド・ゴールから税金を徴収するように迫られていたのです。 レーニエは資金もないため、応じることには納得しませんでした。 国境の封鎖が始まって、資源の行き来が無くなります。 レーニエは判断を迫られていきます。 そしてグレースの映画出演がマスコミに漏れてしまいます。 国民は危機的状況の中で、映画出演する公妃を批判します。 グレースはマスコミに漏らしたのが誰か信頼できる人物に探らせます。 秘書のマッジが怪しいと睨みます。 グレースは映画出演はしばらく保留にして、子供の世話や赤十字の活動を頑張ります。 苛立つレーニエはグレースに出演を断るように命令します。 傷ついたグレースは神父に相談し、久しぶりに母に電話をします。 厳しい意見の母に涙を流すグレースでした。 神父に相談してモナコのしきたりやマナーを学び始めます。 難しいフランス語にいらいらするグレースでした。 グレースは道路封鎖している軍人に朝食を配ります。 何か裏があるのではとマスコミに言われてしまいます。 しかしレーニエは彼女の働きぶりを見ていました。 マッジがフランスの探偵と会っている証拠をつかみます。 神父に相談しに行ったグレースでしたが、神父は故郷に帰ってしまう事が分かります。 レーニエはヨーロッパサミットを開き、各国の代表を集めてド・ゴールの独裁的な行動に異論を唱えようとします。
しかし、ド・ゴールの暗殺未遂事件が起きて、どの国もフランスには逆らわないことが確定してしまいます。 サミットが終わりかけて、レーニエの姉アントワネットが微笑んでいるのを見かけます。マッジから事情を聞いていると、レーニエが部屋に入ってきます。
マッジは探偵を雇ってアントワネットの調査をしていたのです。 アントワネットはド・ゴールと密会していて、レーニエを王座から引きずり降ろして自らが即位するつもりだったのです。
レーニエは策が破れて落ち込みます。 グレースは彼を励まして、ヒッチコックに映画の出演を断りの電話を入れます。 そして最後の秘策にでるとグレースは意気込みます。 赤十字の人達を集めたグレースは、希望通り舞踏会をモナコで開くことを決めます。 そして、各国の代表者に招待状を送ります。 パリに行ったグレースはファンに囲まれて、マスコミの前で映画には出演をしないこと、公妃としての仕事を頑張ることを伝えます。 ド・ゴールは女優など怖くないと参加を決めます。 そしてグレースはアントワネットと、夫のシャルルにモナコ追放を言い渡します。 最後にご子息の将来のために一仕事するように頼みます。 頼まれたシャルルはド・ゴールにレーニエが言いなりであると、脅されながら伝えます。
舞踏会が開催されて、ヨーロッパ各国やアメリカから多数の出席者が集まります。 ド・ゴールもやってきます。
マリア・カラスの歌声が披露されて会場は盛り上がります。グレースが舞台にたって、自らの思いを話し始めます。 現在のモナコがトラブルを抱えていることを話し、自分の生い立ちを語り始めます。 そして、破壊をする権利は誰にもないと言います。 愛や美を破壊する権利は誰にもないと述べます。 拍手喝采となって、ド・ゴールは横にいた男から大公妃の館に爆弾を落とさないよね?っと言われます。 こうして公妃グレースの「最後の切り札」によってモナコ公国の危機は回避された。 ド・ゴールは税金の徴税の封鎖をやめることになります。その後グレースは女優に復帰することなく、祖国に帰ることもなくモナコ公妃として努め、まだ若くして悲劇の交通事故により、天国に召されています。
グレース・ケリーの映画はこれまでにも何本か観ていますが、美貌のハリウッド女優の印象でしたが、モナコの人々や家族のために心血を注ぎ、苦悩の人生でもあった事がこの映画によってよく分かりました。
グレース・ケリーは多くの名言を残していますが、中でも日本に関する名言も幾つか残しています。
<「雅やか」の文化>
「ただ月を眺めるだけのために、竹で縁側を作るとは、なんて素敵なセンスでしょう。」
このグレース・ケリーの名言は、日本が作り出してきた文化の中でも特に「雅」と呼ばれる美に関する文化を評価した名言です。
「世界のどの文明圏と比べても日本は文明の特異点と評されるほど独自の「美」の概念を持っている国です。」 その美の形の1つが「雅」です。
<華道について>
「花は私に多くの扉を開いてくれました。 言葉よりも感情で訴えかけてくれたのです。」
グレースは日本文化の中でも特に華道をはじめ、植物に関するものを高く評価してくれた人物であり、本人ももともと花を愛でる人であったそうです。
他にも、
「花を愛することでいろんな可能性が開けました。 多くの友人ができたのも花に対する情熱によるものです。」など、日本が好きな女優であった様です。
いずれにしても、日本古来の文化、歴史を大切にして欲しいと彼女は語っています。
ララ・ファビアン~アダージョ