曼珠沙華(マンジュシャゲ・彼岸花)が、田んぼの畦道や道端に咲き始めました。
稲穂が稔りを迎えるこの時季満開になり、黄金色の稲穂とマンジュシャゲの炎の様な
赤い色が青空によく映えています。
中国原産のこの帰化花、図鑑によれば、大昔一株?持ち込まれた球根が、日本全国
津々浦々まで人の手によって、今のように広がった花と云うことになる様です。
道理で人里近くでよく見掛ける花、「人ある(在った)ところに、曼珠沙華あり」、先人の
足跡を記してきた花とも言える様です。
「美しいものには毒がある」類花の一つで、「曼珠沙華」の名は仏典に由来し、この花に
は他にも、様々な暗い俗名もある一方、「天上の花」と云う意味も併せ持っています。
私達?団塊前後の年代には、この花を見る時♪赤い花なら~曼珠沙華~♪の歌を口ずさん
でしまいます。
この歌の「ジャガタラお春」は、実在した女性で徳川幕府の鎖国政策の犠牲となって、永久国
外追放となった、混血(美人?)の女性として知られています。
ジャガタラ(昔のジャカルタ)に追放された中の一人で、歌謡曲「長崎物語」では故国日
本を恋い慕う、哀しい女性のイメージで唄われていますが、なかなか活動的だったよう
ですが、きっと悲しみを笑顔に隠し、強く生き抜いた女性だったのでしょう。
長崎物語 (梅木三郎作詞:佐々木俊一作曲:三沢あけみ唄)~1939年
♪ 赤い花なら曼珠沙華 阿蘭陀屋敷に雨が降る
濡れて泣いてる じゃがたらお春
未練な出船の あゝ鐘が鳴る ララ鐘が鳴る~
♪ うつす月影彩玻璃(いろガラス) 父は異国の人ゆえに
金の十字架 心に抱けど
乙女盛りを あゝ曇りがち ララ曇りがち~
♪ 坂の長崎石畳 南京煙火(はなび)に日が暮れて
そぞろ恋しい 出島の沖に
母の精霊が あゝ流れ行く ララ流れ行く~
♪ 平戸離れて幾百里 つづる文さえつくものを
なぜに帰らぬ じゃがたらお春
サンタクルスの あゝ鐘が鳴る ララ鐘が鳴る~
~貴方にとって、今日が充実した一日であります様に~