赤いハンカチ (歌:石原裕次郎)
♪アカシアの 花の下で
あの娘がそっと 瞼を拭いた
赤いハンカチよ
怨みに濡れた 目がしらに
それでも涙が こぼれて落ちた
今は亡き石原裕次郎の主演映画、「赤いハンカチ」「錆びたナイフ」を観て、大スター
の往時を偲びました。
(あらすじ)
三上(石原裕次郎)、石塚(二谷英明)両刑事は痲薬ルートを捜査していた。
そして事件の参考人のひとり平岡に辿りつく、取り調べを進めるが黙秘を通し、捜査
は難航する。
そして容疑者平岡を検察に護送中、隙を狙って逃走しょうとする平岡が、石塚の拳銃
を奪って抵抗したため、これをかばって誤って射殺してしまう。
過失による射殺とは言え、世論の風当たりは強く、やがて三上は職を追われることに・
・・・・・それから4年後、三上は雪の北海道・ダム工事の現場で働いていた。
そこへ神奈川県警の刑事の訪問を受け、かつての同僚・石塚も、その後警察を辞めて
今は実業家として大成功していると聞く。
しかし、その事業資金の出所に不審な点があるという・・・・その裏には、4年前のあの
事件が絡まっている事を知り、三上は失われた4年を取り戻すために、その謎を解く決
心をし、横浜に舞い戻って来たが、三上が射殺した平岡の遺児、玲子(浅丘ルリ子)は
平岡と結婚して居る事実を知る。
一方、玲子は4年前の事件の際、訪ねて来た三上の面影が、今も忘れられずにいた・・
この映画は、日活の屋台骨を支えた「スター映画」の典型。
当時、日活の全盛を支えたスター達は、「男らしさ」「恰好良さ」「派手なアクション」「歌
えるスター」が必須条件であり、それに「可憐なヒロイン」が絡むロマンス(純愛)が、ど
の映画にも折り込まれています。
長身の裕次郎は、すらりとした長い足を引きずる様に大股で歩き、随所に男の背中を
見せ、派手なアクションと、哀愁を帯びた歌声でギターの弾き語り、絵に描いたように恰
好良く、私を含む多くの若者を魅了して止みませんでした。
映画のヒロイン・浅丘ルリ子は当時24歳という若々しさで、初々しく飛び切りの美人で、
八重歯がとても印象的な女優さんでした。
また劇中、横浜「山下埠頭」「港の見える丘公園」「ホテル・ニューグランド」や代官坂等
が出てきますが、当時の横浜(1964年頃)は、今とは随分違い殺風景で、スクリーンか
ら伝わってくる「あの日、あの時、あの時代」が偲ばれ、郷愁を誘われる映画でもありま
した。