~映画「セブン」の主演スター:ブラッド・ピットの演ずるミルズ刑事~
レンタルビデオ店に出掛けた際、フッとある映画のワンシーンが頭を過り、
思わずレンタルして来て、またまた観てしまった。
この映画は、キリスト教の『七つの大罪』をモチーフに猟奇殺人を繰り返す
犯人と、事件を追う刑事達の姿を描いた、どちらかと言うと私のあまり好き
ではない分野の、サイコ・サスペンス(ホラー)映画だ。
しかしこの映画は、あの名作「第三の男」を凌ぐ評価を得て、大ヒットした映
画なのである。
ブラッド・ピットの相棒老刑事役を名優・モーガン・フリーマンが、そしてミル
ズ刑事の身重の妻役を、美女:グゥネス・パルトローが、しっかりと脇を固め
ている。
この種映画にありがちな、連続的に起こる猟奇的殺人事件と、その犯人を
絞り込みつつ、追いこんで行くと云う筋立てである。
殺人事件の現場に残されたメモ、血文字等から、次第にこの事件は、キリ
スト教の『七つの大罪』をモチーフとして、標的を選んでいることを、突き止
めて行く。
5番目の殺人事件の後、警察へ血塗られた服の容疑者・ジョンが自首して
来る。
取り調べの中で、容疑者ジョンは、ミルズとサマセットの2人を指名し、彼ら
に残る2つの死体(6、7番目)の隠し場所を教えると云う。
ジョンは護送の車に乗せ、行く先を示指させながら、2人をある荒野に連れ
て行く。
そこへ宅配便のトラックがやってきて、1つの小さな箱を、土誇りで霞む荒
野の地上に置いて、立ち去って行く。
老刑事のサマセットが先に、箱の中身を調べると、中にはミルズの身重の妻・トレ
イシーの、死体の一部が入っていた。
(鮮烈に記憶に残るワンシーン)
容疑者ジョンは、刑事ミルズに箱の中身は、ジョンを嫉んで殺した妻・トレイ
シーだと明かす。
逆上したミルズは、サマセットの制止を振り切って、箱の中身を確認する。
荒野で車から降り立つところから、箱を開けた瞬間、そして憤怒・悲しみ、
逆上からジョンを射殺する間の、ミルズ(ブラッド・ピット)の演技は、まさに
圧巻、鳥肌の立つほどの鮮烈な演技である。
このワンシーンだけを観ても、ブラッド・ピットがスーパースターとなる所以
だと納得できる。
ちなみに、6番目の大罪「嫉妬」は刑事ジョン自身、そして7番目の「憤怒」
はミルズを差しているのであった。
このワンシーンだけでも、見る価値ありの映画だと私は思う。
キリスト教の『七つの大罪』~暴食:強欲:高慢:肉欲:怠惰:嫉妬:憤怒