大型連休、宮崎のうちの山で茶摘みをするため、山口から5時間半かけて現地に着いた瞬間、思わず声を上げた。山が丸裸になっていたのである。昨年、お義姉さんから木が伐採されることになると聞いていたが、よもやこれほど変わり果てた姿になろうとは、、
宮崎県は国の防災・減災・国土強靭化計画に基づき、平成31年度から道路斜面・法面・盛土などの防災対策を実施している。亡義父の山(現在は相方の山)は、宮崎県と熊本県を繋ぐ主要道路(国道219号線)沿いに位置し、その対象となっている。これは防災・安全交付金事業=防国法面事業と呼ばれ、国からの交付金をもとに進められている。対象は道路に隣接した山の斜面で、事業内容は落石対策である。つまり、落石防護柵を設置するために、先祖代々受け継がれ、守られてきたナラやクヌギなど広葉樹や茶木が伐採されたのである。
伐採された部分は山肌が剥き出しになり、岩盤はコンクリートで吹き付けられていた。(一瞬、目が点になったが)地質を調べてみると、砂岩(灰褐色)と泥岩(黒色)が繰り返し堆積する泥岩砂岩互層だった。確かに石は脆く崩れやすい。茶摘みをする際も足場が悪いため、しっかり踏ん張らないといけない。落石防止は必要だと思うが、問題はその中身(方法)である。
219号線沿いを見ると、落石防止用ネットが張られている山は多い。が、うちの山は丸裸にされたところにコンクリートが吹き付けられ、ネットは張られず、微妙な位置(高さ)に落石防護柵が設置されている。この施工方法は妥当なのか? というのも、相方が宮崎へ向かった4月26日夜、宮崎県は大雨だった。翌日、茶摘みのために山に入ると、防護柵の脇から土砂が流れていたからである。これまでは地中深く根を張る広葉樹が土留めの役割を担っていたので、このようなことはなかったと相方は言う。
お義姉さんに聞くと、施工内容は明かされていなかったとのこと。落石防護柵を設置するために木を伐採した結果、土砂災害が発生という本末転倒のようなことにならなければよいのだが。すでに工事は進んでしまっているが、宮崎県には、工法や工程表等の資料を依頼した。今月中に担当課から説明をしてもらうよう要望している。(もうすぐ梅雨シーズンなので気がかり)
変わり果てた山(柚子と梅の木はお義姉さんが嘆願して生き残った)
これから杉が伐採される(今年度中工事は続く)
クヌギの森は生き残る(柚子と梅の木の下あたりにわずかに茶木が残る)
西米良方面 道路沿いの雑木もすべて伐採される(写真右)
以下、相方撮影(危険なので)
上からみる(高さは9~10mくらい、下に219号線が走る、ここで土砂崩れが起きれば亡義父の大切な小屋がつぶれてしまう)
コンクリート吹き付け上部(切られた木と残された木がある)
落石防護柵がなんとも(この斜度で上から落石が起こればフェンスを軽く越えてしまうだろうに)
生き残った茶木 大きくな~れ
一ツ瀬川が流れる
あたりは広葉樹の森が広がる(茶摘みの頃が一番美しい)
ここで生きる
《参考資料》