福岡市議会が混沌としてきた。高島市長が提出した「福岡空港未来基金条例案」に自民党が反対したことで、会派内の親高島派3人が離党、28日、新会派を結成した。名前はなんと「自民党新福岡」。会長に就いた飯盛市議は「与党として高島市長を支えていく」と表明。新しい会派の名称については「自民党から処分を受けているわけではないので、自民党を名乗るのは当然だ」と、誰かに似て強気。一方、自民党市議団光安会長は「えっという感じ。同じ自民党という名称の会派届けを出すということで困惑している。批判をして出た人が、自民党という名称をつけるのはいかがなものかと思う」と不快感を示した上で「与党として付き合うことは当分はない」と語っている。
それにしても自民党。以前から反高島派と親高島派が存在し、内部で燻っていたことは知っていたが、ここで分解するとは思わなかった。確かに高島市長の意見に反対した党に腹をたてて出て行ったのだから、それを名乗るのはいかがなものかと思う。まして、高島市長を守るというから、まるで親衛隊。どこに視線を置いているのかと議員としての資質を疑いたくもなるが、果たして基本理念はあるのだろうか。一方、ラブコールを受けた高島市長は「信頼関係のもと、密に意見交換しながら共に素晴らしい福岡市を創っていきましょう」と新会派の結成を喜び、祝福のエールを送っている。まさに類は友を呼ぶ。
福岡市議会の会派構成を見ると、自民党市議団と公明党で過半数を割った。自民党市議団の今後の動向次第では、与野党逆転の可能性も無きにしも非ず。今月6日から新年度予算案の議論もはじまる。市民にとって重要な案件もあるだけに、その行方が気になる。自民党市議団といえば、議会改革の対応は酷いものだが、この条例案に関してはまとも。この際、高島市長の独裁市政にメスを入れてほしいのだが。
(左から福田市議、飯盛市議、中島市議 写真:NHK福岡ニュースより)
ちなみに、中島市議は23日条例案採決の当日離党、無所属となって条例案に賛成。福田市議と飯盛市議は27日離党。
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・自民市議団離脱の3市議、「親高島」の新会派 福岡市議会(西日本新聞 2017.2.28)
・新会派「自民新福岡」結成 「自民」退会の福岡市議3人(西日本新聞 2017.3.1)
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