24日午前11時半、涸沢テント場を出発。涸沢小屋脇の登山道からガレ場を登り、しばらくするとハイマツ帯に入る。そこから、さらに大きな岩の上を登り詰めると、南稜コースの核心部といわれる、南稜取付きに出た。まずは、一枚岩に施された鎖場(斜度40度)を気合を入れて登る。一呼吸した後、次は長い梯子(斜度60度)を一歩一歩、慎重に登る。登り詰めると、南稜の稜線に出た。稜線は急な岩尾根続きで、途中、鎖場もあるのでなかなか気が抜けない。岩場を登りきると、北穂高岳南峰と北峰が見えた。そこは南陵テラスと呼ばれるところで、テント場となっている。ちなみに、この日のテントは3張りだった。
北穂高岳南峰直下にある北穂分岐から松濤岩をトラバースし、松濤岩コルに出る。そこから少し登り、北穂高岳山頂に到着。涸沢テント場から約3時間、無事登頂することができた。山頂はガスがかかり、気温は8℃。汗もすぐに冷たくなるほど、とはいえ登頂を果たした後に飲むビールはこれまた格別。北穂高小屋前のデッキで常念岳や大天井岳など眺めながら、しばし至福の時を過ごす。
北穂高小屋は満員とまではいかなかったが、それでも海外(ドイツ)からの登山者など多くの人でごった返していた。さすがに穂高連峰を縦走するルート上にある小屋だけあって、岩登りのプロも多く見られ、滝谷や東稜から岩登りをしてきた人もいた。小屋では午後7時半を過ぎると殆どの人が就寝。翌日の登山に備えていた。こちらも明日は下山を控えているので、早々と床に就いた。
翌朝25日午前5時すぎ、日の出を見るため山頂に人が集まってきた。午前5時半すぎ、雲の合間から太陽が上がってきた。幻想的な風景が目の前に広がる。すべての感動がここにあるかのように。朝食後、デッキで雄大な北アルプスの景色を見ながらコーヒーを飲む。これ以上、贅沢な時間はない。名残は尽きないが、そろそろ下山の時刻。午前7時すぎ、槍を見つつ小屋を後にした。
撮影日:2017.9.24
ここからはじまり
ガレ場を登る
岩を登る くじゅうを彷彿させる
ナナカマドの紅葉と前穂高岳
ハイマツ帯
南稜取付き 下山する人を待つ
登りつめて
振り返る
前を見る
岩尾根を登りきる(写真中央に北穂高岳山頂)
ようやく北穂分岐
松濤岩の基部をトラバース中の私 頂上まであと少し(相方撮影)
やった~登頂!
テント場上空で山岳ヘリが巡回 (定時に行われているもの)
北穂高岳南峰
滝谷方面はガスで見えない
滝谷ドーム ここを上がってきた人が
北穂高小屋直下 東陵から登攀のご夫婦
今夜は第四尾根
寝床からの風景 贅沢すぎる
おなかぺこぺこ いただきま~す(狭いのでみんなでゆずり合い)
槍、現る
夕月、現る(北穂山頂から滝谷ドーム)
撮影日:2017.9.25
夜明け前(正面中央に常念岳)
日の出
雲海の彼方に富士山
煌々と
お世話になりました
北穂髙小屋 窓にアルプスが映る
至福のひととき(ちょこっと槍の穂先)
大キレットから槍まで
またいつの日か、、
次回は「涸沢の紅葉と北アルプスの花々」をアップします。お楽しみに!(今週末予定)