呑む気オヤジ/病窓より望む蔵王連峰便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その28 「1R(ワンルーム)の男」

2006-08-15 | 本の話
1R(ワンルーム)男~28歳の社長、上場物語

アメーバブックス

このアイテムの詳細を見る


♪ただのサクセスストーリーではない、凄みがある
以前に新聞の書評で評価が高かったため、夏休みの読書用に購入した。20代で不動産会社を起業し、創立から僅か48ヶ月で上場を成し遂げた「青年実業家のサクセスストーリー」だ。そう言うと、よくあるビジネス書の「成功した実業家の半生!」みたいなストーリーを思い描くが、そんな生半可なものではなかった。
筆者は、「現代の若者が、そんな極貧で壮絶な人生を歩むの?」というような凄い人生を歩んできた。小学生の頃に父親の経営する会社が倒産し平成の時代では信じられないような極貧の生活を強いられる。母親は過労と心労が重なり末期がんで死亡。父親は仕事もせずに借金を重ねギャンブルにのめり込み、本人は川崎あたりに屯する不良高校生のリーダーに。父親との確執は刃傷沙汰にまで発展する・・・。まさに小説か映画になりそうな人生だ。それでも一刻も早く稼ぎたくて、受かった大学の入学を辞退し不動産会社の営業マンとして就職する・・・。
母と父と自分の血の繋がりに言及するところなどは、リリーフランキーの「東京タワー」を読んでいるようで、目頭が熱くなる。筆者はまだ28歳、人生のたかが3分の1を生きて来たに過ぎない。でもその辺の20代、いや父さんたちのような倍も人生を重ねてきたオヤジよりも何倍も苦労し、努力し、そして栄光を勝ち取ったことがよく分かる。世の中にはいろいろな人間がいるもんだ。
もちろん彼の人生は、あと3分の2も残っている。これがゴールではなくて、もっともっといろんなことがこの先に待ち構えているのだろう。でももう何も怖くないに違いない。何もかにも経験してしまったのだから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

呑む気父さんの読書感想文・その27 「分身」

2006-08-15 | 本の話
分身

集英社

このアイテムの詳細を見る


♪「分身」東野圭吾著 集英社文庫
久しぶりに読んだ東野圭吾、やっぱり面白かった。どちらかというと推理小説、ミステリー的な色彩が強い作品だね。でも「クローン問題」をこういう風にミステリー風にまとめるところはさすが東野さん、続きが気になって一気に読んでしまった。(ストーリーには一応触れませんよ!)
直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」が、父さんにとってはイマイチだったので、暫く東野圭吾から離れていたけど、やっぱり面白いね。これから読みたい本はたくさんある。「天空の蜂」「時生」「幻夜」「あの頃ぼくらはアホでした」・・・。
最新作の「赤い指」は、殺人犯をめぐる家族のドロドロが凄いらしい。読んで見たくもあり、避けたくもあり・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする