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カナダ先住民、油砂原油送油管反対で共闘=輸出も認めず

2011-12-04 | 先住民族関連
[時事通信社](2011/12/02-12:55)

 【バンクーバー1日ロイター時事】カナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州に住む先住民の60以上の団体は1日、隣接するアルバータ州のタールサンド(油砂)から抽出した原油をパイプラインで自分たちの居住地域経由で太平洋岸に輸送し、アジアなどに輸出する計画に反対する統一戦線を組織したと発表した。
 この発表は、カナダのエネルギー業界と保守党政権にとって新たな打撃だ。先月には米国政府がトランスカナダ社の「キーストーンXL」パイプライン敷設計画の承認を延期している。これはカナダのオイルサンド抽出原油を米メキシコ湾岸に運ぶものだ。
 これにより、エンブリッジ社の石油パイプライン「ノーザン・ゲートウェー」敷設計画(事業規模55億カナダドル)の将来が一層不透明になった。同パイプラインは日量52万5000バレルのタールサンド派生原油を1177キロメートル離れた太平洋岸のBC州キティマト港まで運ぶ計画だ。
 カナダ先住民はカナダで「ファースト・ネーションズ(最初の諸民族)」と呼ばれている。先住民団体は統一戦線結成の声明で、パイプラインがカナダで最も景観の美しい山岳地帯を通過するため、原油流出による悪影響を懸念していると述べた。またBC州の諸港からのあらゆる原油搬出にも反対すると強調した。
 カナダのハーパー首相は、とりわけ米国がメキシコ湾岸向けパイプラインの承認を延期したため、アジアへの新供給ルートを開くノーザン・ゲートウェーが重要になると指摘している。米政府は、オイルサンド原油に対する大規模な抗議行動を受け、承認の先送りを発表している。
 カナダ先住民の反対は、エンブリッジが同パイプライン建設計画を進める上で最大のリスクの1つだ。同社は先住民に対し、パイプラインの権益の一部を譲ったり、地元社会の開発に多くの資金を提供したりすることを提案している。
http://www.jiji.com/jc/rt?k=2011120200451r

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登別の銀のしずく記念館で企画展、アイヌの生き方紹介

2011-12-04 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年12月3日(土)朝刊】

 登別市登別本町の「知里幸恵 銀のしずく記念館」(横山むつみ館長)主催の第2回企画展「アイヌモシリ ヌプルペッに生きて~知里高吉を中心にして~」が、同記念館2階展示スペースで開かれている。差別や偏見にさらされながらも誇りを持ち地域に尽くし抜いた高吉の素顔を通し、アイヌ民族の生き方を学ぶことができる。
 「アイヌ神謡集」の著者で口承文学を民族の手で初めて著した知里幸恵(1903~22年)の父・高吉に初めてスポットを当てた。高吉、息子の言語学者・真志保(1909~61年)、幸恵の育ての親・金成マツ(1875~1961年)の没後50年に合わせた企画。NPO法人知里森舎(横山むつみ理事長)と記念館を支える「銀のしずく記念館友の会」が準備し11月20日から始まった。
 (1)先祖の時代のヌプルペッ(2)太平洋戦争後のヌプルペッ(3)昭和のころのヌプルペッ―の三つの時代の写真や証書、書籍など資料約40点を紹介している。
 中でも目を引くのが、初披露された農業を営む高吉と妻・ナミのツーショット写真と、孫4人と近所の子供たちと一緒に写ったスナップ写真。苦闘の日々に耐え忍びながらも笑みを浮かべ、優しいまなざしを向ける“親”としての顔も見られる。
 このほか貧困にあえぐアイヌ民族の保護を目的とする「北海道旧土人保護法」による土地申請用紙や、「幌別農産水産家畜品評会」の賞状、土地を奪われた苦しみを訴える高吉ら52人のアイヌの人々の陳情書など、貴重な資料が来館者の関心を集めている。
 横山館長は高吉の人となりを「先頭に立って物事を実施しており先駆的な人だった。時代にほんろうされながらも苦悩や偏見に負けず生き抜く精神力を持っていた」と述懐し、「地域の人に見てもらいたい」と呼び掛けている。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/12/03/20111203m_05.html

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