先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

カヤポ族の伝統、アマゾンのダム計画

2011-12-15 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック ニュース December 14, 2011

 クベン・コンクレ(Kuben Konkre)村の母親が、アマゾンの森で集めたベニノキの種からできる赤い染料で娘の顔に模様を描く。アマゾン川流域の先住民、カヤポ族は、顔や体に描く精密な絵柄で知られている。そのデザインは幾何学模様から単純な縞模様までバラエティに富み、色は黒や赤が多い。本人の年齢層や体力、性別、感覚能力などを表現しているという。眉毛やまつ毛を抜く慣習もあり、多くの女性は額から頭頂の髪を剃っている。
 外部からの影響をほぼ免れてきたカヤポ族だが、これまでも土地に侵入する牧畜業者や伐木業者、金鉱採掘者に怯える日々を過ごしてきた。加えてダム建設が進めば、彼らの生命線であるシングー川の流れが変わってしまう可能性がある。既に道路整備が進む周辺には大勢の作業員が入り込んでおり、カヤポ族の特徴的な文化を脅かす要因になるとベロモンテの建設反対派は批判している。
 ダム建設に反対するカヤポ族には、歌手のスティング氏や、映画監督でナショナル ジオグラフィック協会付き探検家のジェームズ・キャメロン氏など、国際的な著名人も支援を表明している。異星生物と人間の衝突を描く映画『アバター』などで知られるキャメロン氏は、熱心な環境保護論者だ。ダム建設で影響を受ける一帯を視察し、先住民たちの苦闘から映画の続編制作に貴重な示唆を見いだしたと語った。
 2011年9月、ブラジルの連邦裁判所はベロモンテダムの建設中止を命令したが、11月には撤回。先住民との協議を実施しなくても、建設再開が可能になった。しかし報道によれば、工事は労働争議により遅れ気味だという。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011121402&expand&source=gnews

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先住民への影響、アマゾンのダム計画

2011-12-15 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック ニュース December 14, 2011

 ブラジル政府は、アマゾン川の主要な支流シングー川に世界3位の水力発電ダムを建設する計画だ。最大出力1万1000メガワットの電力は、サンパウロを中心とする大都市圏の生活レベル向上と、成長著しい産業の巨大な電力需要を賄う目的で利用される。しかし、総工費170億ドル(約1兆3000億円)のベロモンテ(Belo Monte)ダムにより、住民2万人以上が立ち退きを強いられ、カヤポ族をはじめとする先住民が独自に育んできた文化が脅かされるとの批判も出ている。食料、水、移動手段をシングー川とその支流に依存する先住民にとって、生存権に直結する大工事だ。
 一方、官民の電力会社、建設会社が構成する企業連合ノルテ・エネルギアは、「間接的な影響は生じるが、住民に立ち退きを迫る予定はない」と断言する。
 写真家のクリスティーナ・ミッターマイヤー氏は、1990年代からアマゾン川流域に通い続けている。カヤポ族の村を小型機で年に2度ほど訪れ、文化やシングー川との結び付きを記録するという。写真はシングー川の支流、ペケーニョ川(Rio Pequeno)の浅瀬で遊ぶ子どもたち。カヤポ族にとって川との触れ合いが日常の一部であることを物語っている。
 「赤ん坊が生まれるとすぐ川に連れて行く」とミッターマイヤー氏は話す。「一日中、川で遊ぶ子どもの姿が見られる。彼らは小さいころから泳ぎがとても得意だ」。
 カヤポ族にとって、ダムの脅威は今に始まったことではない。シングー川のダム建設計画は以前にもあったが、1990年代には国内外からの抗議を受けて断念。カヤポ族が主導した反対行動もあった。しかし今回のベロモンテは、期待するほどの発電量は見込めないという批判もむなしく、計画が実行されるだろう。ブラジル政府が態度を変える様子はなく、反対されても工事は進めると関係者は話している。旺盛な発展を遂げるブラジルの電力需要を賄うにはダムが不可欠というのが政府の言い分だ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011121401&expand&source=gnews

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シングー川と生活、アマゾンのダム計画

2011-12-15 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック ニュース December 14, 2011

 アマゾン川支流のシングー川で水浴びするカヤポ族の母子。ブラジル北部のアウクレ(Aukre)村の住民にとって、シングー川は食料や飲み水の供給源であり、沐浴にも欠かせない。
 「日に何度も川で体を洗うなど、カヤポ族の文化では清潔さが重要だ。不衛生な生活は反社会的で健康を阻害すると見なされている」と、カヤポ族の文化をテーマにする写真家クリスティーナ・ミッターマイヤー氏は語る。「女性は14歳か15歳で結婚し、子どもを産むのが一般的だ」。
 この地域でベロモンテ(Belo Monte)水力発電ダムの建設を進める企業連合ノルテ・エネルギアは、公開協議を12回、地域説明会を10回開催して、建設に関する議論を交わしてきたと主張する。また、社員らが4000世帯以上を訪問したという。 しかし、外部の環境団体は先住民に影響を与えると批判。米州機構(OAS)の米州人権委員会(IACHR)も、プロジェクトを中断するよう求めている。ブラジル当局は態度を硬化。今秋アメリカ、ワシントンD.C.で開催されたOAS年次総会への参加を取りやめた。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011121404&expand&source=gnews

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