先住民族関連ニュース

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オーストラリアの先住民族アボリジニの暮らしと考え方

2011-12-14 | 先住民族関連
エコナビ 2011.12.13UP

太古の知恵を受け継ぐ人々
 オーストラリアの先住民族アボリジニの人々は、4万年以上前にアジアからオーストラリア大陸に渡ってきたと考えられています。数千ともいわれる部族がそれぞれ独自の言語で話し、文字を持たなかったため部族の掟やさまざまな知恵を壁画に記したり、物語にして語り継いできました。
 各部族がそれぞれ異なる風習や文化を持っていますが、共通しているのは、自然界と調和して生きる、ということ。自然への畏敬の念を忘れずに暮らすことこそが、本当の幸せをもたらすと考えているからです。
 彼らが祖先から受け継いできた風習や文化は、「ドリーミング」と呼ばれる物語として、今も伝えられています。どの物語も自然や生き物たちを擬人化した抽象的な表現が多いのですが、すべての部族が共通して持つ『天地創造の神話』が世界の始まりだと信じられていること。話の内容は部族によって異なるものの、空と大地の神が世界を作り、私たち人間が生まれ育った大地は家族が暮らす大きな家、という概念が根底にあるということです。
 もともと住居を持たないアボリジニの人々は、狩猟を続けながらすみかを転々とし、自然の中に住まいを見つけてきました。それは、洞穴であったり、岩陰であったりするのですが、それぞれの場所は、女性たちの出産のための洞穴、男性のみが立入りできる洞穴など、部族の掟によって厳しく用途が決められていることが多かったようです。その場所がどんな用途で使われたのかは、岩肌に残された壁画によって今に伝えられています。
 現在、アボリジニの人々のほとんどは、私たちと変わらぬ普通の家屋に暮らしていますが、なかには太古の昔と変わらず、自然にできる限り近い場所で、自然の神々を敬いながら暮らしている人々もいます。
 森の中の岩陰に寝床を作り、朝夕には大自然の神に祈りを捧げながら、川に水を汲みに行き、糧となる木の実を探すなど、原始的ともいえる生活が基本。現代の便利な文明の利器や大金には見向きもせず、ひたすら先祖から受け継いだものを守る姿には、身震いするような感動を覚えます。
人にとってもっとも大切な基本理念
 オーストラリアでは、アボリジニの人々の教えを学ぶツアーもあります。それに参加すると、彼らの伝統的な暮らしぶりを垣間見ることができます。例えば、トゲのついたツル状の植物を釣りに使ったり、木の根のへの字型の部分でブーメランを作って狩猟を行うなど、いかに自然が暮らしに根付いていたかがわかります。
 また、彼らの考え方や教えは、ふだん忘れかけている大切なものを思い出させてくれます。それは、どんなに大変なことがあっても、どんなに周囲の環境が変わってしまっても、どんなに悪い誘惑があっても、守るべきものは家族であり、忘れてはならない大切なものは、私達を取り巻く自然なのだということ。大地と空、宇宙、そしてこの地球上のすべてのものが調和して生きている=生かされているのだと、気づかせてくれます。
 私たちにとって「本当に大切なものは何か?」「守るべきものは何か?」ということを彼らは常に意識しながら暮らしています。そして、自分が地球上に生を受けた意味を考え、受け継いだ大切なものを後世へと伝えてほしいと願っている。彼らは、そうして何万年という年月を生きてきたと言います。
 万物の神である自然を敬い、守らなければならない大切なものをずっと忘れないでほしい。それが、アボリジニの人々の根底に流れる共通の精神であり、これこそが、太古の昔から営々と受け継がれてきた『人類にとってもっとも大切な基本理念=スピリット』といえるのではないでしょうか?
http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/house/185

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【白老】ポロト湖結氷始まる

2011-12-14 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2011年 12/13)

 白老町のポロト湖で、先週末から結氷が進んでいる。12日はアイヌ民族博物館やポロト温泉など湖の南側が氷に覆われた。
 氷の厚さはわずか数センチほど。強風で波立つ湖水と氷が「カラカラ」と音を立ててぶつかり合う光景はこの時期ならでは。
 湖面は、例年だと今月中旬ごろに完全結氷し、年明けにはワカサギ釣りやスケートを楽しむ客でにぎわう。
http://www.tomamin.co.jp/2011s/s11121302.html

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講演会:自然と共に森再生 アイヌ・貝澤さん、未来を見据え--福岡 /福岡

2011-12-14 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年12月13日 地方版

 北海道平取町二風谷(にぶたに)のアイヌ民族、貝澤耕一さん(65)を招いた講演会「チコロナイとアイヌ文化」が10日、福岡市南区弥永のエスタスカーサであり、生物の多様性を守る自然林による森づくりに取り組む貝澤さんの話を基に熱心な議論が交わされた。
 チコロナイとは、アイヌ語で「私たちの沢」という意味。94年に任意団体「ナショナルトラスト・チコロナイ」として発足し、貝澤さんは理事長に就任。01年にNPO法人となった。現在、二風谷に約26ヘクタールの山林を取得し、アイヌの民族衣装にもなるオヒョウニレなどを植林している。
 貝澤さんは完全無農薬を実践する農家。二風谷ダム建設に反対した故貝澤正さんを父に持つ。「私たちは自然を変えようとしないほうがいい。むやみやたらな公共事業やダムは不要」と言い、人知を超える自然と共存する向き合いこそ求められるとした。そして、地道に植林や手入れをしている様子をスライドで紹介。「日本ほど水が豊かでありながら、おろそかにしている国はない。水を大切にしなくては」と力説し、200年先を見据えて森の再生を誓った。
 参加者の男性は「いつの間にか利便性を追求し、人間の欲というものが段々と自然破壊に進んだのかもしれない」と貝澤さんの話を受け止めていた。【林田英明】
〔福岡都市圏版〕
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20111213ddlk40040394000c.html


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