先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

返還のアイヌ遺骨再埋葬 浦幌の団体「ほっとしている」

2020-08-23 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/23 05:00
 【浦幌】十勝管内浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会)は22日、保管していた東大から返還されたアイヌ民族の遺骨6体を同町営墓園に再埋葬した。
 同団体の関係者が、遺骨を土の中へ丁寧に埋め戻した。同団体の差間正樹名誉会長は「いろんな思いはあるが、再埋葬が私たちの目的なのでほっとしている。ただ(東大から)謝罪の言葉はあってしかるべきだった」と話した。東大関係者は立ち会わなかった。
 東大に遺骨の返還を求めた訴訟は7日に釧路地裁で和解が成立し、20日に返還された。
 6体のうち5体は1888年(明治21年)、東大教授が研究目的で浦幌町ウツナイの墓地から掘り出し、残る1体は1965年に東大の別の教授が同町十勝太の墓地から持ち去っていた。
 同団体が東大と北大、札幌医大に遺骨の返還を求めた一連の訴訟は終結し、計102体が古里に戻った。町立博物館から返還された1体を含め103体が同墓園に再埋葬された。(岩瀬貴弘)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/452880

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アイヌ民族の返還遺骨再埋葬 先祖に祈り 浦幌町

2020-08-23 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/23 05:00

再埋葬を前に、カムイノミを行うラポロアイヌネイションの関係者ら=浜厚内生活館(北波智史撮影)
 【浦幌】東大から返還されたアイヌ民族の遺骨6体が22日、町営墓園に再埋葬され、町内のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会)の関係者は、半世紀以上たって古里に帰ってきた先祖に祈りをささげた。
 同団体は再埋葬に先立ち、祈りの儀式「カムイノミ」を浜厚内生活館で行った。その後、町営墓園に移動し、遺骨を再埋葬した。一緒に返還された太刀などの副葬品は23日、町立博物館に寄贈する。
 長根弘喜会長は「再埋葬で6人の方も喜んでいると思う。これからは浦幌で安らかに眠ってくださいと声をかけたい」と話した。一連の遺骨返還訴訟に携わった市川守弘弁護士は「一緒に帰ろうねとの思いで取り組んできた。古里に戻すことができて良かった」と振り返った。
 同団体は23日午前10時から、先祖供養の儀式「イチャルパ」を浜厚内生活館で行う。(岩瀬貴弘)
☆「イチャルパ」のルは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/452858

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「謝罪の言葉一切なし」東大から返還の遺骨 アイヌ民族団体が再埋葬(動画)

2020-08-23 | アイヌ民族関連
STV 8/22(土) 17:58
東京大学が研究目的で発掘した遺骨が北海道浦幌町のアイヌ民族団体に返還され、長い年月を経て22日、墓地に埋葬されました。
北海道浦幌町のアイヌ民族団体に返還されたのは東京大学が研究目的で明治以降に発掘した遺骨です。浦幌町のアイヌ民族団体は東京大学に遺骨の返還を裁判で求めていましたが今月和解が成立しました。遺骨は22日、浦幌町の墓地に再埋葬されました。
(ラポロアイヌネイション 差間正樹名誉会長)
「地元の土に返すことができたという安堵の思いでいっぱいです。謝罪の言葉があってしかるべきと思うがその点は一切ありませんでした」
23日は慰霊の儀式が執り行われます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec0573ac89b8f43610d1dc294824dfd75095dee9

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返却されたアイヌ遺骨6体を埋葬 かつて東大が持ち出し(動画)

2020-08-23 | アイヌ民族関連
TBS 2020年08月22日 18時46分
 かつて東京大学が研究目的で持ち出したアイヌの人の遺骨が、ふるさと・北海道浦幌町のアイヌ民族のもとに返され、22日、埋葬されました。
 返還されたアイヌの人の遺骨6体は、東京大学が明治から昭和にかけて研究目的で墓地から持ち出し、保管していたものです。浦幌町のアイヌ民族の団体と東大との民事裁判は、今月7日に和解が成立し、返還された先祖の遺骨は22日、ふるさとの墓地に埋葬されました。
 「今まで待たせて申し訳ないという気持ちと、やっと先祖をもとの土に還せたという安どの思いでいっぱい」(ラポロアイヌネイション〔旧浦幌アイヌ協会〕差間正樹 名誉会長)
 これで、各地の大学や博物館が、浦幌町から持ち出したことがわかっている遺骨103体は、全て返還されたことになります。(22日16:42)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbe499d109e8ab43bead1370f0b5a7868eab6890

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東大から返還 アイヌ遺骨埋葬 浦幌町

2020-08-23 | アイヌ民族関連
HTB 8/22(土) 17:50
 十勝の浦幌町のアイヌ団体が東京大学に遺骨の返還を求めた裁判で和解が成立し、22日、遺骨が町内に埋葬されました。
 浦幌町のアイヌ民族の団体は、東大の研究者がかつて浦幌町の墓から掘り起こしたアイヌの遺骨6体などを返還するよう訴えを起こし、今月、和解が成立し返還されました。
 そして22日、浦幌町内の墓地に遺骨が埋葬されました。
 ラポロアイヌネイション 長根弘喜会長「今まですみませんでした。これからは浦幌の地で安らかに眠ってください、おつかれさまでしたと言ってあげたい」
 浦幌町から掘り起こされ各地の大学などが保管していた遺骨は分かっているだけで103体ありましたが、これですべて返還され埋葬されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/132ecd07129f33b6c5008f1d2a6d0209b70c657f

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「チーム・オベリベリ」書評 開拓団を支えた「捨て石」の覚悟

2020-08-23 | アイヌ民族関連
好書好日 2020/08/22 07:00

チーム・オベリベリ [著]乃南アサ
 明治十六年、英学塾の学友だった依田勉三・鈴木銃太郎・渡辺勝の三人は北海道開拓を決意、「晩成社」を立ち上げて同志を募り、十勝の原野に入植した。
 彼らが選んだ地はアイヌの言葉でオベリベリ。今の帯広である。
 十五年で三千万坪を切り拓(ひら)く予定だったが、厳しい自然やバッタの害などで開墾は遅々として進まない。女性を含めて三十名いた開拓団も脱落者が相次ぎ、どんどん減っていく。
 そんな開拓の最初の七年間を、鈴木の妹であり渡辺の妻である渡辺カネの目から描いたのが本書だ。
 カネは横浜の女学校を卒業した、当時の最先端の女性である。それが、夫に従って入植し、粗末な小屋に暮らし、子を産み、畑を耕し、豚を育て、アイヌ民族と交流し、開拓団の子どもに勉強を教える。予想もしていなかった環境に身を置くことになったのである。
 開拓の具体的な描写も圧巻だが、新たな環境にどう向き合ったかが読みどころだ。武士や素封家など、かつての自分を捨てられない者もいる。恨み言ばかりの者もいる。そんな中、カネは幻滅や諦めを体験しつつも、妻として母として、武士の娘として、アイヌ民族の隣人として、自分の為すべきことを見つけていく。
 彼女を支えたのは教育と信仰だ。自分の芯になるものを持っている人間の、何と強いことだろう。
 カネの印象的な言葉がある。「私たちの代が、耐えて、耐えて、この土地の捨て石になるつもりでやっていかなければ、この土地は、そう容易(たやす)くは私たちを受け入れてはくれない」
 覚悟とは、こういうことだ。その言葉通り、晩成社は解散する。しかし彼らが広大な原野に記した最初の一鍬(くわ)が、今の帯広の礎になったことは間違いない。
 先の見えないコロナ禍の中、未体験の日々に戸惑う今の世が、どこかオベリベリの開拓団に重なって見えた。私たちにカネのような芯はあるだろうか。
    ◇
のなみ・あさ 1960年生まれ。96年、『凍える牙』で直木賞、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞
https://news.goo.ne.jp/article/book_asahi/trend/book_asahi-13656124.html

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「絵コンテ」と「まんが」自信作を 「北の絵コンテ大賞」道が募集

2020-08-23 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/23 05:18 更新
 道は、本年度創設の「北の絵コンテ大賞」と、恒例の「北のまんが大賞」で作品の募集をしている。
 絵コンテ大賞は、アイヌ文化をテーマとしたシナリオをもとに、3分以内のアニメとなる絵コンテを募る。まんが大賞は、漫画(北海道を題材としたストーリー漫画か4コマ漫画)とイラスト(恐竜のイラスト)の2部門で作品を募集。
 両賞とも、道内ゆかりのプロの漫画家らが審査員を務め、最高賞の北海道知事賞の作者には最大10万円の賞金を贈る。いずれもプロアマ問わず応募できる。締め切りは絵コンテ大賞が10月19日、まんが大賞は11月20日。それぞれ11月と来年1月に入賞作品を発表する。問い合わせは道文化振興課(電)011・204・5215へ。
(安倍諒)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/452872

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どのジョニデがお好き?ジョニー・デップ映画5選!

2020-08-23 | 先住民族関連
Safari Online 8/22(土) 9:20
演技の原点がわかる!
初期の代表作といえば、『クライ・ベイビー』や『シザーハンズ』を思い浮かべる人が多いかもしれない。が、彼の俳優としての持ち味が役にマッチし、なおかつ、その後の演技の原点が見られる意味で、『妹の恋人』を挙げたい。
撮影時、ジョニーは29歳。俳優としての方向性が見えてきた時代。ここで演じるサムは、風変わりなんだけど、相手の心を癒してくれるという難しい役どころ。それをいとも簡単にこなしているジョニーの才能に改めて驚いてほしい。
幼いときに両親を亡くしたジューンは、心の病を抱えたまま大人になった。兄と一緒に暮らす彼女の前に現れたのが、パントマイムのように動く青年、サムである。変な行動を繰り返すサムに、ジューンは閉ざした心を開いていく。
アイロンでパンを焼いたり、テニスのラケットでポテサラを作ったりを、真顔でこなすジョニー。バスター・キートンやチャップリンのモノマネなど映画通が観たら楽しめる“芸”も多数。彼が演じていなければ、屈折した心をもつ主人公2人のキスシーンが、こんなにもピュアにはならなかったに違いない。
『アリゾナ・ドリーム』
孤独な魂の男がよく似合う!
ケンタッキー州出身で、先住民族チェロキーの血も受け継ぐジョニー・デップは、大都会ではなく、どこか寂しげな町で生きる孤独な魂の男がよく似合う。
『ギルバート・グレイプ』や『デッドマン』などの傑作が証明しているが、そんな王道ではなく、このアリゾナ州を舞台にしたマニアックな逸品をチョイス。ジョニーが演じる主人公のアクセルは、ニューヨークから故郷のアリゾナへ戻ってきた青年だ。
アメリカン・ドリームにとりつかれた叔父、映画マニアの男、空を飛ぶことを夢みる未亡人と、自殺願望を抱えるその継娘。そんな周囲の変人に翻弄されるアクセルは、アラスカで釣りをする人生の目的も捨て、彼らの夢に寄り添っていく。
この“翻弄される”シチュエーションこそ、ジョニーの魅力が発揮される要因で(年上女性キラーの役が多い!)、素顔に最も近いジョニー・デップが、この映画に刻印されている気もする。
監督は旧ユーゴスラビア出身の、世界的鬼才、エミール・クストリッツァ。魚が空中を浮遊するなど不思議な映像も心に残るし、今作を観たことのない人もメインテーマは耳にしたことがあるはず。それほど音楽も有名な一作だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/46059144c90aa63fd99f1c8904e17bf1983580db

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アイヌ遺骨 古里浦幌に 東大から返還 あす再埋葬【浦幌】

2020-08-22 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2020.08.21
木箱に入れられて東大から返還されたアイヌの遺骨と副葬品。一時的に自宅敷地内の倉庫で保管する差間名誉会長
 明治・昭和期に浦幌町内の墓地から持ち出され、東京大学で保管されていたアイヌの遺骨6体と副葬品が20日、浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会、差間正樹名誉会長、長根弘喜会長)に返還された。遺骨のうち5体は132年ぶり、もう1体は55年ぶりに古里の地に帰った。
 同団体が2019年11月に、東大を相手取り起こした訴訟は今月7日に和解が成立した。これに伴い、東大は遺骨と副葬品を同団体に返還し、同団体は信教の自由が侵害されたなどとして求めていた損害賠償50万円を放棄した。
 原告代理人の市川守弘弁護士らによると、遺骨6体のうち5体は、東大の前身・旧東京帝国大学の小金井良精教授が、浦幌町ウツナイの墓地で1888(明治21)年に発掘。残る1体は、東大の渡部仁教授が同町十勝太の墓地で1965(昭和40)年に発掘したとされ、一緒に埋葬されていた太刀、キセルなどの副葬品も持ち去った。
 差間名誉会長と市川弁護士は今月17日、東大に出向き、返還される遺骨6体と副葬品を確認した。20日午前、東大から町厚内の差間名誉会長宅に七つの木箱に入れられて遺骨6体と副葬品が届いた。東大関係者は同行しなかった。差間名誉会長は「(遺骨と副葬品が返還されて)ほっとしている。ようやく古里に戻った先祖らを手厚く葬りたい」とコメントした。
 東大から返還された遺骨と副葬品は差間名誉会長宅の敷地内にある倉庫に一時的に保管され、22日に町内の浦幌墓園に再埋葬される。長根会長は「先祖を自分たちの手でしっかり埋葬したい」と話している。
 同団体が北海道大、札幌医科大、東大を相手取った一連の遺骨返還訴訟は、アイヌ遺骨102体(北大、札医大は返還済み)の古里への返還をもって決着した。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/18552

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社説:アイヌのサケ漁 「先住権」論議の一歩に

2020-08-22 | アイヌ民族関連
京都新聞 8/21(金) 16:01
 アイヌ民族の「先住権」回復への転換点となるのだろうか。
 北海道浦幌町のアイヌ団体が、地元の川でのサケ捕獲は先住民族の権利だとして、国と道を相手取って漁業権を認めるよう求め、札幌地裁に提訴した。先住民族の集団が伝統的に占有してきた土地や資源を利用する先住権の確認を求める訴訟は初めてだ。
 アイヌとって、サケは重要な生活の糧であると同時に、アイヌ語で「カムイチェプ(神の魚)」と呼ばれる特別な存在だった。ところがサケ漁は明治期以降、水産資源保護法などで禁じられた。
 訴状によると、原告は江戸時代に浦幌十勝川周辺で暮らしていたアイヌの子孫らで、明治政府が禁じるまでサケ漁で生計を立てていたコタン(地域集団)から、漁をする権利を引き継いでいると主張。これを禁じた法令が適用されないことの確認を求めている。
 明治政府の北海道開拓に伴い、アイヌは北海道旧土人保護法に基づく同化政策により土地、資源、狩猟や漁業といったなりわい、独自の文化、言葉まで奪われた。
 2007年の国連先住民族権利宣言は、先住民族の権利を認め、日本も賛成した。だが昨年5月に施行されたアイヌ施策推進法は、法律で初めてアイヌを「先住民族」と明記したものの、先住権には触れなかった。訴訟の背景には文化・観光施策が目立つ新法への不満があるのは否めない。
 国は、サケ捕獲権などを有するコタンは既に存在しないとの立場だ。加えて土地や資源の権利回復が次々と具体化するのを危ぶみ、先住権を巡る議論を棚上げにしてきた。だがアイヌの多くは大上段に先住権を振りかざすつもりはなく、現実的な権利回復を求めているにすぎないのではないか。
 アイヌがこの150年間に失ったものはあまりに大きい。同化政策が生んだ矛盾を解消する責任は国にある。問題解決には権利の回復に向き合うことが欠かせない。
 訴訟の争点は、明治政府の土地取得の違法性や、原告がコタンの権利を継承する集団に当たるかどうか、などとみられる。形式的な法律論争にとどめず、先住権の本質を見据えた審理を求めたい。
 国連の人種差別撤廃委員会は18年、アイヌの先住権が十分に保障されていないとし、日本政府に権利保護を勧告した。米国やカナダなど、世界的にも先住権が復活されつつある。日本がアイヌの人々の権利をどのように保障していくか、国際社会が注視している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d64b851def7a24dd79df3924c888ad3a34c34b4

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『大地よ!』宇梶静江著 アイヌとして真に立つまでの軌跡

2020-08-22 | アイヌ民族関連
47NEWS 2020/8/21 07:08 (JST)

水や火や風を尊び、大地と「添寝」してきたという先住民、アイヌ。現代社会に生きる私たちは、いまこそアイヌの精神性や感性に学ぶべきではないのか。アイヌとして生きる87歳の女性、詩人で古布絵作家の宇梶静江が自らの半生をつづった『大地よ!』を読み、そんな思いを抱いた。
 北海道・浦河町に1933年に生まれた著者は、誇り高いアイヌの魂を持つ両親に愛されて育った。子どものころは、夏は浜辺の村に、それ以外の季節は姉茶(あねちゃ)という村里で過ごした。6人きょうだいの上から3番目、幼いころは病弱だったが、成長するにつれてどんどん健康になっていった。
 暮らしは楽ではなかった。学校へ行っても和人の先生や同級生からいじめられるのでまともに行く気になれず、また生活のために小さいころから働かねばならなかった。
 和人によって、あるいは日本政府によって、アイヌは土地や言葉、生活習慣まで奪われ、人間としての尊厳を傷つけられてきた。第2次大戦中の生活は、さらに厳しくなった。
 11歳の時のこと。街にお使いに出た著者に、同年代の姉妹がすれ違いざま「アッ、“犬”が来た!」と言った。著者は動けなくなった。
 すさまじい差別と抑圧。でも常に学ぶことへの渇望があった。その思いがかなったのは戦後になってから。53年、20歳のときにやっと、札幌にある中学に入学した。
 中学卒業後に上京し、27歳で結婚。やがて詩作を始める。詩を書くことは、一つの解放だった。だが、アイヌのことは伏せていた。どう表現すればいいのか分からなかったのだ。
 そんな「内なるアイヌ」が臨界に達したのだろう。72年、「ウタリたちよ、手をつなごう」と題した文章が新聞に掲載されて、注目を集める。出自を隠して生きる同胞に向けて、連帯と解放への取り組みを呼びかける投稿だった。同時期に書いた詩「灯を求めて」は、こう結んだ。「いま私は大地にたつ」
しかし壁は厚かった。「自分たちは、別に“アイヌ”として生きたいとは思っていない。どうか放っておいてほしい」という同胞が大半だったのだ。彼らが抱えているであろう空虚は、自分の中にもあった。
 63歳で古布絵と出会ったことが、最大の転機となったようだ。アイヌの村にいるときに遭遇したシマフクロウを描こうと思った。真っ赤な目のシマフクロウに「アイヌはここにいるよ、見えますか?」という意味を込めた。それが彼女を再生させた。古布絵には、アイヌ刺☆(糸ヘンに肅)でアイヌの叙事詩・ユーカラを織り込んだ。
 いったんは手放した詩作も取り戻した。「天から零れ落ちてきた言葉の雫を、静かに私が受け止めて書き留めたような言葉」を刻んでいった。
 古布絵と詩という表現によって、アイヌらしく、真に大地に立ったのだ。
(藤原書店 2700円+税)=田村文
https://www.47news.jp/culture/5135921.html

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チーフス、スタジアムでの先住民族風の頭飾り着用を禁止

2020-08-22 | 先住民族関連
NFL 2020年08月21日(金) 11:07
アローヘッド・スタジアム【AP Photo/Charlie Riedel】
カンザスシティ・チーフスは現地20日(木)に、アメリカ先住民の文化への関心を高め、「カンザスシティエリアとの歴史的なつながりを持つ部族たちの豊かな伝統」を記念するための新たなポリシーを導入した。
ファンがネイティブアメリカンの頭飾りをつけてアロー・スタジアムに入場することは禁じられる。フェイスペイントは許容されるものの“アメリカ先住民の文化や伝統を参照、もしくはそれに着眼したものについては禁じられる”という。
「ファンはスタジアム外部のセキュリティーチェックを通る前にアメリカ先住民風のフェイスペイントを消すことが求められる」と新ポリシーには記されている。
また、チーフスは“アローヘッド・チョップ”のチャントを“徹底して見直すプロセスに従事している”と述べ、“今後さらなる話し合いを行う”とした。
また、名物の大太鼓も調整の対象となる可能性があり、チームは「われわれのファンと選手を結びつける効果を保ちながらも、アメリカ先住民の文化におけるドラムの精神的な重要性をよりよく象徴するドラムデッキ(スタジアム上部の大太鼓が置かれたデッキ)のあり方についてすべての選択肢を検討する」と説明。
「これにはドラムのフォーカスをスタジアムの鼓動を象徴する何か他のものにいかに移行するかの議論が含まれる」と声明にはあった。
チームは過去6年に導入してきた多くの慣習を継続していく。その中には地域と歴史的なつながりのある部族のメンバーをチームのアメリカ先住民族伝統月間ゲームに招待することも含まれている。チーフスはまた、“地域および全国的なパートナーの提供による、より正式な形での教育プログラムの創出を検討”しているという。
「われわれはアメリカ先住民族のリーダーたちと行ってきた有意義な会話に感謝している。こういった重要な議題について話し合いを継続していくことが重要であり、今後も共に取り組んでいくのを楽しみにしている」
https://nfljapan.com/headlines/55089

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米・大統領選、スイングステートはどちらの手に? 鍵を握る黒人票

2020-08-22 | 先住民族関連
TBS 21日 12時42分
 「あさチャン!NEWS LIVE6」。世界の今が見える「World特派員リポート」です。アメリカの大統領選挙まで2か月半。鍵を握るのが、黒人票です。バイデン前副大統領がいる民主党大会の会場から深井記者の報告です。
 こちらバイデン氏の地元アメリカ東部のデラウェア州です。木曜日の午後5時20分を回ったところです。後ろに見えます、あの大きな星条旗がかかっている建物、数時間後には、ここから大統領候補のバイデン氏が党大会フィナーレの演説を行う予定です。会場横には巨大なモニターが設置されていまして、今夜は支持者がこちらに集まり様子を見守る予定になっています。
 こちらからお伝えするのは、選挙戦の「カギを握る黒人票」についてです。
 きのうの夜、バイデンさんとランニングメイトと言われる選挙戦を共に戦うパートナー、副大統領候補に指名されたのが「黒人」のカマラ・ハリス上院議員です。きのうの演説では複数の人種の中から「黒人」を最初に挙げてこのように語りかけました。
 「みんなが共に目指す未来を実現するためには、黒人、白人、ラテン系、アジア系、先住民族など、全ての人をひとつにする大統領が必要です」(米民主党 カマラ・ハリス上院議員)
 なぜ黒人有権者がカギを握るのか。注目は、最近の大統領選挙での黒人有権者の投票率です。
 実は、オバマ大統領が再選した2012年からトランプ大統領が選ばれた2016年にかけて黒人有権者の投票率は7ポイントもダウンしました。黒人有権者の9割は民主党を支持しています。その黒人の投票率が、もし今回、8年前の水準に戻った場合、トランプ氏が前回1ポイント以内の僅差で勝ち取ったウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアの3つの州がひっくり返って全体の結果も逆転する、つまりトランプ大統領が敗退するのではという分析もあります。
 危機感を強めるトランプ氏は、きょう遊説先のペンシルベニアでも「バイデン氏は急進的な左翼の人形だ」などと皮肉り、必死の巻き返しをはかっています。
 Q.黒人有権者の9割は民主党を支持しているということですが、そのバイデン氏のいる民主党は黒人票を獲得できそうですか。
 確かに、黒人の9割はトランプ大統領を支持していませんし、ハリス氏を副大統領候補に登用したことも概ね好意的に受け止めているようです。
 ハリス氏が「黒人」の候補だからといって黙っていても黒人有権者が選挙に行って投票してくれるかというと、そう甘くはありません。ミシガン州のデトロイトに住むこちらの男性は構造的な「差別」に怒っていて、投票で社会を変えていこうという活動を率いるリーダーなのですがこんな風に話してくれました。
 「『あなたたちを助けたい』と言うだけの候補者を信頼することに私たちは辟易としています。今回は彼ら(候補者)が行動を起こす時です。口だけではなく、これまで言ってきたことを実際に具体的な政策にし、そこに投資することが求められるのです」(ダヴォンテ・ジョンソンさん)
 アメリカでは根深い「差別」が今なお社会を覆っていること、新型コロナでは最前線の仕事に従事している黒人などが多数感染し人種間の「格差」が大きいことが改めて表面化しました。長く抑圧されてきた黒人の人たちは、自分たちの訴えに耳を傾けてくれる候補なのか、その人は本当に社会の構造を変えてくれるのか、残りの選挙戦でそういった部分を慎重に見極めようとしているのだと思います。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4058438.htm

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アイヌの団体に東大から遺骨返還

2020-08-21 | アイヌ民族関連
NHK 08月20日 11時52分
十勝の浦幌町のアイヌの団体が、東京大学に遺骨の返還などを求めた裁判で今月、和解が成立したことを受けて、20日、大学側から団体に遺骨が返還されました。
東京大学が明治21年と昭和40年に浦幌町内の墓から掘り出したアイヌの人たちの遺骨について、地元のアイヌの団体は裁判で遺骨の返還などを求めていましたが、今月、遺骨などを返還することで和解が成立しました。
返還されたのは6体の遺骨と副葬品で、20日、午前10時半すぎに東京大学が手配した運送会社によって浦幌町のアイヌの男性の自宅に届けられました。
遺骨や副葬品は7つの木の箱に納められていて、自宅の離れにある机の上に安置されました。
返還に東京大学の関係者は立ち会いませんでした。
遺骨を受け取ったアイヌの団体「ラポロアイヌネイション」の差間正樹名誉会長は「ご遺骨にはご苦労様でしたと言いたい。断りもなく持っていったのだから本来は東京大学から謝罪があるべきだと思います」と話していました。
団体は22日、遺骨を町内の墓地に埋葬することにしています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200820/7000024026.html

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元外交官が教える「外国人にささる”日本史のツボ”」

2020-08-21 | アイヌ民族関連
PHP Biz Online 衆知 2020/08/21 06:00
山中俊之(やまなか・としゆき)氏は、外交官からキャリアが始まり、いくつかの職を経験されたあと、現在は株式会社グローバルダイナミクス代表取締役社長であり、神戸情報大学院大学教授でもあります。
「世界と日本」の歴史や文化について造詣は深く、主に世界に通用する人材を育てることを使命と考えています。少しでも多くの日本人に国際的に通用する教養を身につけて欲しい。そのためには日本史をいかに世界の人たちに伝えるかが重要だと考え、『世界96カ国をまわった元外交官が教える 外国人にささる日本史12のツボ』を上梓しました。
本稿では、作家エージェントでかつ自身も『花戦さ』などのヒット作品の著者でもある鬼塚忠さんが、山中さんに「外国人にささる日本史」を聞きました。
日本人は戦国、幕末が好きだが、外国人にとっては…
(鬼塚)今日はお越し頂きありがとうございました。山中さんは元外交官でエジプト、英国、サウジアラビアに赴任し、世界から日本を見てきましたよね。
世界の有識者の方々の日本史への興味の持ち方は、私たち日本人が持つ日本史への興味の持ち方と違うということですが、どこがどう違うのですか?
(山中)今日はお招きいただきありがとうございました。海外の視点で日本を見ると、日本の文化には日本人が思いもよらぬような驚くべき点があります。
日本人は、大河ドラマの題材でも分かるように、戦国時代や幕末維新の時代に興味があります。ところが外国人にとっては、戦国時代は単なる権力闘争の時代に過ぎず、世界のどこにでも転がっているような話です。
今年の大河ドラマのクライマックスにある本能寺の変も、世界のどこにでもあるような主君への裏切りにすぎない。むしろその手の話は世界の方がはるかに迫力あるのです。
幕末維新も、日本の近代化の契機になったという点では関心はありますが、寺田屋事件、薩長同盟などの個別の事象や、坂本龍馬、西郷隆盛などの登場人物についてはさほど関心がありません。
海外から驚かれる「天皇制」
(鬼塚)戦国時代と幕末維新はさほど興味がない。言われてみればそうです。山中さんは世界の国際会議や社交の場で有識者と頻繁に交流をされているという話ですが、では、彼らはどんなことに興味があるのでしょうか?
(山中)海外の方々に刺さるテーマは5つあります。
1つめは、外国人から見て唯一の日本の歴史と文化です。
例えば、太古の時代から現在まで継続している天皇制です。世界のどこを見渡しても同一の家系で少なくとも約1500年にわたり続く王族や皇室はありません。日本の皇族の歴史は世界で案外知られていないことであり、話すとみな興味を持ちます。
2つめは、日本が時代ごとに世界最高レベルを誇った歴史です。
外国人のほとんどは、日本が世界の経済大国になった理由に興味があります。日本が20世紀に経済大国として台頭する以前、近代以降で経済的に発展した国はすべて欧米諸国でした。
なぜそのなかに日本が割り込めたのか、ここに興味を示します。ここで、その戦後の日本が復興した期間だけを語るのではなく、江戸時代の教育や社会制度まで遡って説明したり、さらに禅思想との関係に言及したりすると外国人は目を見開いて聞いてくれます。
3つめは世界史に置ける日本の位置づけです。
知日派の外国人は日本の歴史を単体的には知っています。しかし、アジアとの関係性から語る日本の歴史はあまり知りません。
日本は古代より、中国や朝鮮半島から文化の影響を受け、積極的に学んできました。多くの渡来人が活躍した日本の古代は、多様な文化のるつぼとも言えるのです。そしてその文化を日本風にアレンジして新しいものを創ってきたのです。
日本と東アジアなどの他国との関係から日本史を語ることが出来れば、外国人から見るとそれだけで新たな視点を与えることになり、一目置かれます。また、キリスト教の欧州から日本への伝播やその後の広がりと潜伏キリシタンの話は関心を持って聞いてもらえるでしょう。
「日本の芸術」を知りたい世界の人々
4つめは芸術です。
芸術は、どんな国のひとと話をしても、政治や宗教のように対立することはありません。私は、現在の排外主義的な動きが高まる状況の中で、対立することが少ない芸術を通じた相互理解が必要なのではないかと思います。
実際、世界の人々の多くが日本の芸術について知りたいと感じます。しかも、日本の芸術は絵画にしても演劇にしても、世界で唯一のものであり、ある観点からは世界最高レベルのものでした。
世界的にこのように評価を得ているわけですから、私たち日本人はまず日本の芸術について深く知ることが重要です。
最後に、日本に対する固定観念を破るような話です。
たとえば、欧米社会には「日本は男性優位な社会である」という強い固定概念があります。エコノミストやニューヨークタイムスなど世界に影響を及ぼしうるメディアは日本の女性の地位の低さを頻繁に記事にしています。
政治や経済の重要なポストに女性が少ないのは事実であり、それは否定できません。しかし、歴史をみればそれは違います。室町時代までは世界的に見ても女性の活躍の度合いは世界に見劣りするものではありません。特に古代においては女性の活躍は目をみはるものがありました。
また日本は同一性が強いと思われていますが、言語は統一され、人々の習慣もある程度均一化していると思います。いま世界の潮流である多様性からは遠い社会であると。
しかし、室町時代以降は各地方の文化や産業が個性を持ちながら発展していきました。またアイヌや沖縄も独自の文化を持っています。日本は意外に多様性がある国なのです。
このように現代の海外から見た日本に対する固定観念を破るような話をすれば外国の方にささります。
(鬼塚)ありがとうございました。外国人にささる日本史を話すには、この5つのテーマに触れながら話すのがいいのですね。
(山中)はい。世界の有識者と話す時に、私の経験が少しでも皆様の役に立てばこの上ない喜びです。
https://news.goo.ne.jp/article/phpbiz/entertainment/phpbiz-20200817195658792.html

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