新井けいこさんが新刊をだされました。
空の手というのは、空手の話。主人公が作文に小さいとき、空手と書こうとして空の手と書いてしまったとか。
スポーツものは、うまくなって試合にでて、勝って、負けて、また強くなって……という王道ストーリーがありますが、この作品はちょっとちがいます。
小学生で始めた空手を主人公のソラも、ソラをはげましてくれた遙人も一端、やめてしまいます。
でも、ソラに誘われてはじめた航太は続けています。その関係をかいています。
うまいがゆえに続けられなかった遙人、だれになにをいわれても動じずに続けていける航太、中学になってあらためて、やめた空手が好きなことに気がつく主人公。
三人それぞれの気持ちが書かれています。
試合に勝てないで、やめてしまった主人公も、「わたしはわたしのストーリーをつくる」と、空手をまたやろうと心を固めます。
勝てるから続けるのではなく、空手の道を究める空手道を行こうと。
そのあたりが、よく書けていると思いました。
勝つか、負けるか だけでなく、自分なりに空手の道をすすむというのもひとつのスポーツとの向きあい方だなって思って。
そういう作品、少なかったなっと。
ほら、おじさんがヨレヨレになっても野球をやっていたりします。元来、スポーツは楽しいはず。
勝ち負けだけにこだわらなくてもいいですよね。
そんなことを感じさせてくれる良作です。読んでみてください。
さて、今日は用事があって、立川に行きました。
オリオン書房ノルテ店は大好きな本屋さんなのですが、行くたびに縮んでいきます。
ガチャガチャコーナー、文具コーナーとかが広がっていって。
本はネットで買うのかな。わたしもそういうこと、多いけどね。
でも、新しい本とのぐうぜんの出会いが楽しめるのは本屋さん! なくなってほしくないんですよね。
だから、応援したくて、本を三冊も買っちゃいました。
みなさん、本屋でも本を買いましょうね。がんばれ、本屋さん。立川オリオン書房、応援しています!!!