昨日は雪がふらなくて、ホッとしました。けど、そうなると、雪げしき、見てみたい気もします。
雪って不思議ですよね。亡くなる人もいて雪国は大変だと思いますが、つもらない地域からみると、魅力みたいなものも感じます。
少しなら降ってほしいような。
で、昨日、産経新聞に載った書評は冬にぴったりの本『雪のなまえ』。ベテランの村山由佳さんの作品。
小5の雪乃がいじめられて引っ越した先の長野でかんじるあれこれを描いていく成長小説。
けど、雪乃よりも先に変わるのは、大人たちのほうです。そのあたり、ていねいに書いてあります。だから、家族の成長小説というか、家族がより家族らしくなっていく小説、みたいな感じです。
舞台が長野で長野の方言がつかわれているところなども、とてもいいと思いました。
また、母親が編集者をしていて、長野にはついていかないという決断も、現代的。そんな母親を田舎の人は・・・。
とにかく、田舎ぐらし、いいところも悪いところもリアル。東京移住、夢の田舎ぐらしにあこがれる人にはぜひ、読んでほしいです。
どんなマニュアルよりも、雰囲気がわかると思うので。
また、村山由佳さんは、珈琲の描写がうまいなっと思いました。飲みたくなります。
ベテラン作家という風格の村山さんですが、昨年は『風よあらしよ』で婦人活動家の伝記小説を書くなと、作品の幅をひろげています。今回もとても読みやすく、それでいて細やかに気持ちを書いてあって、憂鬱なことが多い中、気持ちがすっと楽に、人を信じれるような気持ちにさせてくれました。