昨日、長らく準備してきた秋の一日講座が終わりました。日本児童文学者協会の事業部としての企画です。
講師は令丈ヒロ子さん、佐藤まどかさん
これがすばらしかった。若者の言葉でいうと、「神回」ってやつですよね。
いろいろ講座にかかわってきたし、見てきたけど、児童文学というと、読む側とか研究とかいう視点もはいって講座を組み立てる場合もあるのですが、今回は書き手にそった構成で、書き続けようと思っている作家さんにドンピシャ。胸にせまる言葉が散りばめられていたと思います。
『みんな書き続けよう!!』というタイトルだったんですが、そのとおり、みんな書き続けようという気持ちになれたんじゃないかな。
それは感想のツイッターにもあらわれています。
令丈さんの講義のタイトルは『児童エンターテイメントの過去から未来』
令丈さんは、デビューした頃の自分を脳内お花畑状態と表現。それから、いきずまって山中恒さん作品との出会って、こんな作品が書きたい、がんばろうと決心がついたそうです。
そのあと、若おかみシリーズのヒットを海底火山が噴火したと表現。
そうなんです。自分のそのときの状態を表す表現が、エンタメになっていて、明るく楽しい。ひきこまれる。
忙しいときは、文庫のシリーズ、5,6本をもっていて、眠ってなかったと話されました。
そのあと、『パンプキン 模擬原発の夏』を書いたときのことを、噴火した石にあたったと、これも楽しく表現!
いろいろ介護のことなど、大変そうなこともあるのだけど、トーンが明るくて、おもしろくて、サービス精神満載で画面んいくぎづけ。
トークがほんとうまいです。
『パンプキン、模擬原発の夏』についてはもっと聞きたかったのですが、ちょうど時間にもなってしまいました。
時間が足りなかったのがざんねん。
佐藤まどかさんの講義のタイトルは、『失敗は種!!』
佐藤さんは、令丈さんは児童文学界の太陽みたいな存在だけど、わたしは土星みたいな感じ。でも、わっかがあることを大切にしたい、と話されました。この表現もちょっと文学的で個性が有り、すごいですよね。作品がうまい人は自己分析みたいなのも巧みです。
それから、今回、みんなで元気になろうというテーマでお願いしたので、それにそって自分のデビューから、チャレンジしてくれる話をほんと、さらけだして話してくれました。
ターニングポイントになった作品は『リジェクション 心臓と死体と時速200㎞』だとか。この頃、重い病気をされていたことなどから、命とか生命とか考える作品になっているとのこと。
この作品、わたしは読んでいて、サスペンスタッチでかなり面白い。その作品を書いた頃のことを聞いて、また、読んでみたくなりました。
佐藤さんは受け身という表現で、書いていて落ちこんだときの対処方などを、力をこめて話してくれました。ほんと、参考のなったことがちりばめられています。プライドを捨てることが大事だとか。ほんと、そうだよなー。
佐藤さんでもそうなら、わたしもがんばんなきゃって、多くの人が思ったんじゃないかな。
佐藤さんも、令丈さんも、かなり準備して講座を組立ててくれたんだと、ほんと頭がさがります。
お忙しい中にもかかわらずです。
みなさん、おふたりの新刊、買おうね。本を買って、感想をいいあって、児童書界を盛り上げていきましょう。
トークショーはみなさまからいただいた質問におふたりプラス、赤羽もまじり答えていきました。
ボツなんて、この世にない!
令丈さんがいってくれました。ある出版社でボツでも、どこかでは必要な作品である可能性もあるから。
そんなの恐れずに行こうってことです。
また、佐藤さんからは、イタリアの子どもたちの様子もきけました。なんと、受験はないそうなんですよ。けど、厳しくて留年はあるとか。知らなかったなー。
終わってみて、ああ、この一日講座、やれてよかったと思いました。
出版不況とかで出版社も迷いがある中、編集者さんも転職が多かったり、移動があったりと、代わることが多い。
そんなもろもろで、作家たち、不安なんですよ。ずっと書き続けられる保証もないですから。でも、だからこそ、やりがいがあるのかもしれません。
講座をささえてくれた事業部スタッフもありがとう。細部にわたって、気をつかってもらっています。
見逃し配信をこれから申し込めるかは、事務局と相談してみます。