赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

佐藤まどか・新刊『一〇五度』

2017-10-30 19:10:26 | その他
意欲的に次々作品を書いてらっしゃる佐藤まどかさんが、新刊をだされました。
タイトルが斬新です。『105度』表紙もタイトルも洗練されてます。


主人公は中学三年生の大木戸真。YAです。

椅子作りが好きな主人公、転校先の学校で、椅子づくりに理解がある早川梨々と出会い、全国学生チェアデザインコンペを目指します。
でも、デザインの道は将来性がないと、父親は反対。

そこからがこの作品の新鮮なところ。
好きならなんとかなる、がんばればなんとかなるというような精神性のほうにはいきません。デザインの道でがんばっている大人に話を聞きます。楽なことがほどんどなく厳しい現状を作者は示していきますが、ここが読ませます。

さて、それを聞いた主人公が選んでいく道は・・・。

作家でもライターでも同じですが、ものを作り出す仕事は、なかなか厳しい現状があります。本当に好きなデザインができなくて、安価でお手軽なものをつくらされるとか。現実はせちがらいという話です。
年を重ねたわたしはおとうさんの気持ちもわかるところもあります。

この作品でとにかく驚いたのは、題材です。椅子づくりなんてところが一冊の物語になるということ。
デザインにくわしいと思ったら、佐藤まどかさん自身がデザイナーさんだとか。
イタリアに住んでいて、デザイナーでと、魅力あふれる経歴ですよね。

本が出にくい今、みなさん、新しい題材をあれこれもってきますが、椅子とは思ってもみないものでした。
読み終わったあとは、自分の家にある椅子の形をまじまじと見ることでしょう。わたしもそうしましたよ。

自分の将来について迷っている、中学生、高校生にぜひ、読んでほしい一冊です。


さて、今日は木枯らし一号だったとか。
わたしは喪中葉書を注文しました。年末まであとはかけ足でしょうか。




八王子市制100周年記念 読書のまち八王子ビブリオバトル イン由木中央小

2017-10-29 06:49:25 | その他
昨日は、小学生のビブリオバトルを見てきました。
八王子の柚木中央小学校。近くの帝京大学の読書部が、協力していました。

これがとてもすばらしい催しでした。
今回は、5,6年生の決勝戦だったのですが、一ヶ月くらいかけて予選がおこなわれたのです。
そして、小学生だけでなく、保護者の予選、図書館職員など地域の予選もおこなわれ、今日のビブリオバトルは、勝ち抜いた小学生、三人プラス、保護者代表、地域代表が参戦しました。

どの発表も時間ぴったり。発表をしなれている感じがしました。
そして、すばらしいのは質問タイム。手がたくさんあがります。やらされている感はなく、みずからあげているようです。

体育館のまわりには、全員の紹介した本とご本人の写真、メッセージをかいたカードが。おかげで、小学生が読む本の傾向がわかりました。
3,4年生は、物語り、案外、オーソドックスなものを選んでいましたが、5,6年生は知識が得られるようなものも多かったです。

そして、投票をして発表。
『ジュニア空想科学読本8』がみごと選ばれました。低学年の子にも、おそまつくんとか、ワンピースとか、マンガネタがうけたようです。

わたしは、紹介された中では『三日間の幸福』という本に興味をもちました。寿命を売るという発想。現代っぽい感じがしました。

残念だったのは、発表したのが、男子ばかり。校長先生に聞くと、女子はまじめな本を発表しがちで、勝ち残れなかったとか。
ちなみに中学年のチャンプ本も、『せつない動物事典』だったようです。

オーソドックスな物語りは、勝ち残れない結果となってしまいました。そこが作家視点から見れば、少しだけ残念です。

うーん。ストーリーがあるものは弱いのかな。物語りをビブリオバトルで紹介するのがむずかしいというのは感じていました。
多数決で少数派の意見が通りにくいのが、ビブリオバトルのただひとつの欠点でしょうか。

本好きのグループとかだと、結果もだいぶ違ってくるでしょう。

校長先生が、熱心にビブリオバトルをすすめてくれたとか。そのため、こんなすばらしいイベントができたことでしょう。
子どもたちも、静かに、騒ぐことなく、聞いていました。ビブリオバトル普及員の五十嵐さんが司会されましたが、最後は涙がでそうだsとおっしゃっていました。

保護者も教員もビブリオバトルをやってみたとか。そこがまたとてもいいですね。

予選や三、四年生の決勝の様子、保護者の感想などがビデオにまとめられていました。このビデオが音楽もはいり、よくまとまっていて、さすが! こんな風に若い先生たちも、興味をもってすすめていて、ビブリオバトルがこれからさらに広がっていくだろうと思いました。

ただ、わたしはうっかりをしてしまいました。この日、わたしのケータイは電池切れ。
だから、写真はひとつもとれず、がっかり。(^^;) 

西国分寺の駅前本屋、隆文堂には、28日『おしりたんてい』がやってきたと張り紙が。
おしりたんていのぬいぐるみが来たのでしょうか。
うんこ漢字ドリルが流行り、おしり探偵が流行り、次は何がくるのでしょう。

児童書もだんだん変わっていっているなって思った、一日でした。

小平9小行ってきました!

2017-10-26 10:06:29 | その他
ゲストティチャーとして、お話しのたねづくり という授業をしてきました。
9小のコたちは元気で、教室がわれるくらいのあいさつをしてくれて、楽しい時間がもてました。

ろうかのところに、本のコーナーも。こういうのいいですよね。


給食も、食べました。おいしかった。

今日は、ひさびさ晴れました。
洗濯をするぞーー。

紹介されました

2017-10-24 21:40:47 | その他
今日は宣伝の回です。すみません。

北海道新聞で『なみきビブリオバトルストーリー』が紹介されました。

北海道セミナーでお世話になった北海道支部の方がおしえてくれました。ありがたいです!!

また、ベルマーク新聞にも藤田のぼるさんが書いてくれました。10月10日号です。サイトを見てください。
濱野京子さんの本と並べて紹介してくださっています。他にも学年別に、いろいろ紹介されています。それも子どもたちが読みやすい本が多く、読む指針になります。


今日は急に寒くなりました。こんな天気が続くとなんだか、心細くなります。秋はにがてな季節。とくに今年は雨が多くて、いやだなー。
台風で散った落ち葉をたくさん拾い集めました。

けど、明日ははりきって行かなければ!

小平9小のゲストティチャーとして伺うのですから。
このところ、連続してやっている小学校二年生に向けての創作の授業。
これがなかなかうまくいっています。いつも「はい、はい、はい」とたくさん手があがります。
明日はどんな子どもたちが待っていてくれるでしょうか。
二年生の前向きなエネルギーをもらってきます。


発売中、よろしく!




産経新聞書評『むーさんの自転車』

2017-10-22 11:05:06 | その他
雨というか台風の選挙日になってしまいました。わたしはもう、行ってきました。出足は早いようでした。でも、お年寄りは行かないだろうな。すごい雨だもの。

さて、産経新聞に書評をのせていただきました。
今回はねじめ正一さんの『むーさんの自転車』


主人公の正雄は和菓子屋の息子で高校生。実家が父親の借金で倒産してしまいます。
正雄は、家をはなれて、むーさんと暮らすことに。
少年の成長小説で、平成なのですが、昭和っぽい人情のなごりも感じられ、児童文学にも通じるところもありました。

これは、ご当地小説でもあり、でてくる高円寺が娘のラムネの職場もあるところで、親近感もあるので選びました。
阿波踊りの風景も出てきますよ。
この高円寺も、高齢化がすすみんでいるそうで、ねじめ正一さんがかよった駅に近い小学校、杉並4小も来年は吸収合併されてなくなってしまうようです。なんか、さびしいですね。

作品では、小林一茶の俳句も散りばめられていました。少年の心の移り変わりを一茶の俳句で示しています。
わたしも読みながら、一茶のことを調べたりして、一茶のファンにもなりました。
一茶の育った長野の風景もでてきます。



ねじめ正一さんは、詩人で童話作家で、この頃は小説も精力的に書いていますね。

小林一茶は、来年、リリーフランキーさんが主演で映画にもなるそうです。こちらも注目したいです。