産経新聞に書評を書き、昨日、掲載されました。
薔薇がきれいな表紙ですよね。中表紙にもうすい和紙のようなすける紙で、きれいな薔薇が描かれていて、それもとってもきれい。
切り取って飾りたいくらいですが、切り取るのも、できない。
冬にでた本ですが、今読むのもふさわしいかも。
『小さいおうち』で話題なった中島京子さんの新作。
過去から逃げてきた女性たちが、元ペンションで暮らしています。そこに、自暴自棄になっている若者、栗田拓海がやってきて、物語が動き出します。
【書評】『ムーンライト・イン』中島京子著 共同生活の安らぎを力に - 産経ニュース (sankei.com)
元ペンションがあるのが、高原だとしか書いてないのですが、描写から、たぶん、「清里」でしょう。
吐竜の滝も出てくるし、紅葉が美しい、鉄橋みたいな名所の橋もでてきます。
今はうらびれてしまってる、というところもぴったり。そう、清里、わたしが若い頃はペンションブームでにぎわったのですが、
今は、ペンションは消えてしまいました。
駅前なんて、ほんと、さびれてしまって。
でも、そのさびれ具合が、この作品にはぴったり。
三人の女性のひとりが、新藤かおるという一番年配の女性がいるのですが、息子に認知症だと決めつけられてしまっているという設定です。それで、自宅から逃げてきたと。
きっと、現在、こういうことが起こっているのですね。
ほとんど顔をみせないけど、働き盛りで自信たっぷりの息子は、母親を心配しつつ、施設暮らしをすすめるのですが、母親の心の内まではわからない・・・。また、母親のほうは、息子に気をつかって、本心をいえずにいる。
これから、この問題は、大きくなっていくと思います。
新藤かおるは、年配の女性でしたが、三人の女性は、年代もさまざま。いろんな読み方ができる作品です。
ぜひ、読んでください。
さて、土曜日は、児文協の総会でした。90名以上がオンラインで出席しました。オンラインの力、すごい。
協会賞、新人賞の発表と、喜びのことばもありました。
わたしも事業部の講座の宣伝などさせてもらいました。(*^_^*)