にしがきさんが新刊をだされました。大作です。
この作品には、ふたつのテーマがあります。ひとつは、刀をつくる刀匠という職人について。もうひとつは、大鷹の巣立ちについて。
ぜんぜんかけはなれているような二つのテーマですが、昔から日本にあり(いて)、今は、絶滅がさけばれているというところは似ています。
そのせいか、二つがなんと、うまくひびきあっているのです。
奥多摩の自然の中を、主人公のあおばはおじいちゃんより先に鳥を見つけたら、おこずかいをもらえるという約束で、おじいちゃんといっしょに歩きまわっていました。
そんな中、自分をわしという梛と出会い、梛の両親が刀匠で、梛も刀匠になりたいという夢をもっているということを知ります。
刀匠という職業、日本刀についても取材されたのだと思いますが、梛のママが刀をうつところの描写が迫力満点。
炎の熱さまで感じるようです。
その後、ふたりは森の中で大鷹の巣を見つけます。巣にはヒナもいるのですが、密猟者の影もあり、ふたりはヒナを守りたいと決意します。
しかし……。
にしがきさんは、バードウォッチングをされていて、鳥の知識も豊富。
作者の自然を愛する気持ちと、少年少女のまっすぐな思いとがうまく重なりあっていると思いました。
刀匠なんて職業が今でもあるんですね。
知らないことを知る楽しみもある物語だと思いました。
大鷹、わたしは野生のものは見たことがありません。この本を読んで見て見たくなりました。
さて、昨日の絵本展示会には、おかあさんたちがたくさん来てくれて、花束までもらえて、うれしい一日でした。
「大変だったけど、つくってよかった」
「自分でつくると、絵本を読むとき、見方が変わった」
「自分がつくったら、夫も絵本をつくり始めた」
いろんな声が聞こえました。
展示会には、おかあさんといっしょに若いおとうさんもたくさんきて、子どもの相手をしてくれていました。
今のおとうさんたち、ほんと、子どもの相手がうまいんですね。
時代の流れを感じましたよ。
幸せそうな家族たちに囲まれて、わたしも幸せをわけてもらったような一日でした。
いただいた素敵な花束、押し花にして、残しておこうと思います。公民館の担当者さんたちも、お世話になりました。