赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『どうしてわたしはあの子じゃないの』寺地はるな

2024-02-29 16:21:12 | その他

この頃、寺地はるなの作品を続けて読みました。思春期の心のゆれや、弱者の視点など、児童文学に通じるものがあります。

おまけに文章に叙情があり、描写がきれい。

今回読んだのは、『どうしてわたしはあの子じゃないの』

これは、地方に住む中学生、三人 女子 ふたり、男子ひとりと、大人の男性ひとりの視点から描かれた物語。

おもしろいのは、お互いの性格がちがうだけで、感じ方がこうも違うのかなっというところ。

みんなお互いが気になり、うらやましくて、その人が置かれている場所での、それぞれの苦しさは気がつきにくい。

そのあたり、すれ違う感情が、すごくうまく書かれています。過疎の村特有の閉塞感も、都会へのあこがれも。

ズル悪って言葉も、使われ方がうまいなー。

また、『川のほとりになる者は』も、おもしろく読みました。サスペンス仕立てになっているところがおもしろい。

主人公清瀬は、恋人が意識不明の重体になり、恋人の秘密をときあかそうとしていきます。

実は、恋人は、発達に障害がある友だちを手伝ってあげようとしていますが、そのことを隠しています。そこですれ違いがおきていたのです。

この作品についての、作者のインタビューもとてもおもしろく読みました。↓

「川のほとりに立つ者は」寺地はるなさんインタビュー 他人を「わかろうとする」「わかった気になる」落とし穴|好書好日 (asahi.com)

二月の最後、読書の話題でした。

週末には、長野市まで行きます。どうか、あまり寒くありませんように。

 


パステルシリーズ 新刊

2024-02-26 11:55:06 | その他

国土社のパステルシリーズ・第二期の新刊がでました。

野泉マヤさんの本は、初めて読んだのですが、妖怪がたくさんでてくる切り口で街歩きするアイディアがおもしろく、ひきこまれました。

これなら、本があまり好きでない子も、すいすい読めるでしょう。

休み時間に完結、というパステルシリーズのテーマにぴったりですね。

このシリーズ、なるべく短く書かないといけないというので、わたしは文をけずるのが大変でした。野泉さんはうまくまとめられていると思いました。

また、各巻で色が決まっているのも楽しいですね。

野泉さんは、ライトブラウン。この作品にぴったりです。 

わたしの第一期シリーズ、『ちょっとねがっただけ』(ピンク)もついでによろしくお願いします。

 ふすいさんの表紙が大好きです。

 

昨日は寒くて家にいたのですが、お雛様をだしました。せまい場所にだしたので、屏風は一枚だけしかおけませんでしたが。


出久根育展

2024-02-24 07:14:13 | その他

昨日は凍える寒さ。でも、花粉が飛ばないので出かけるチャンスと思い、吉祥寺美術館でやっている出久根育展に行ってきました!

これがとてもよかったです。原画だと色がよりきれいで、美しいのなんのって!感動ものでした。

また、見せる工夫もあって、何回も会場をまわりました。寒くても三月三日までの会期だからか、混んでましたよ。

初期の頃からの画風の変遷も見てとれました。

わたしの一押しは「ルチアさん」の挿絵。それは細かくて、目をこらして見ました。

ロビーの展示は撮影OKでしたので、とってきました。チェコの暮らしの紹介もありました。

さて、この吉祥寺美術館ですが、入場料100円でした。たった! 安いでしょ? 小さいけど、ほんと100円でいいのかなって思います。

それなのに、わたしはシニア割引きで無料になったのです。

うわー! なんか、とくしたのですが、100円だったら、払ってもよかった気もして。

シニア割引き、うれしいような、年だよっていわれたような、複雑な気分です。これは、なってみないとわからないですよ。

 

気になってるけど、まだの方、ぜひぜひ、おすすめです。


今日はねこの日

2024-02-22 09:05:15 | その他

二月二十二日でねこの日だそうです。

ねこといえば絵本でねこが題材のものがとても多くて人気ですよね。空前の絵本ねこブームとでもいいましょうか。

ねこは、わたしは飼ったことがないのですが、ねこがでてくる作品をいくつか書いています。

『落語ねこ』大福という名のふとったねこがでてきます。大島妙子さんの絵がとてもすてき~~。

月刊絵本「ぼくとごろた」

ごろたも、なかなか迫力満点のねこです。

そして、この春もねこがでてくる新刊を準備中です。

イラストは、今、人気の中田いくみさん。忙しい中、うけてくださりました。今、いっしょうけんめい書いてくれてます。

できあがりが楽しみです。

 

今日は寒いですが、春がもうすぐそこまできています。うちのスノードロップも咲きました。可憐な花です。

和名は待雪草。あまりにかわいいので、押し花にはせず、このまま楽しむことにしてます。

 

 

 


西沢杏子さん、新刊『羽根にねがいを!』

2024-02-20 09:18:00 | その他

西沢杏子さんの新刊がでました。とてもかわいらしく目をひく表紙です!

主人公、陶子の亡くなったおじいちゃんは俳句が好き。そのせいでこの作品の中に、俳句がたくさんでてきます。

その俳句が子どもらしくて、とてもいいのです。西沢さんは本来詩人でいらっしゃるので、その詩心が短い俳句の中にもあらわれているんでしょうね。

木のぼりしたり、ブロック塀の上を歩いたりする元気な展開を読みながら、西沢さんは、もしかして子どものころ、おてんばだったのかなって思ったりもしました。

俳句をつくってみたくなる作品です。

また、西沢さんらしく、木の名前や知識がさりげなくでてくるところもすてきです。

 

西沢さんのブログ、虫の落とし文も続いています。いつも虫や鳥、自然の話題にあふれていますよ。

これもほんとうに長く続いています。虫の写真のデータもすごい量。貴重な資料ですよね。

いつも写真がきれいで感心しています。