SURFACE MISSION
− August 2012
− 1 Mars year prime mission
− 900 kilogram (kg) rover
− mobility capability of 20kilometers
− Approx. 100 kg payload of instruments and support tools
− Radioisotope Power Source
6月8日のMarsTodayによりますとNASAのInspector General(監査官でしょうか) Paul MartinさんのMSLに関する最終報告が発表されています。
まずは、MSLの概要
1.概要
目的:火星での生命探査
特徴:①ELD(entry, descent, and landing system)が新方式→sky crane touchdown system
革新的で挑戦的システムですが、sky craneシステムなので着陸できる場所の制限が少ないのです。
ヒートシールドも大きいですね。
CRUISE/APPROACH
− Approximately 9 months
in route
− Approach starts 5 days before entry
ENTRY, DESCENT, AND LANDING
− 15 minutes
− Direct Entry
− Communication provided by ultra-high frequency link to different relay orbiters, based on latitude
②探査車はCuriosityと命名されており、SpiritやOpportunityと比べて4倍重い。
900kgです。火星年で1年(地球日で686.98 日)活動する予定です。
放射性同位元素を使用した発電システムなので冬も活動できます。
重いのでsky craneシステムになったのでしょう。
③Curiosityは、10個の科学計器を搭載しており、科学計器は相互に関連している。
科学機器は、100kg程度の重量です。
沢山持って行けるのですね。
④太陽パネルではなく新しいタイプの発電システム→MMRTG(the Multi-Mission Radioisotope Thermoelectric Generator)
火星の季節や活動域(高緯度でも)に囚われない活動が期待できます。
2.予算
2009年2月に、NASAは、数個の重要な要素と器具の納品遅延のため2年間MSLの打上を遅らせましたが・・・
この遅れの為、Projectの開発コストが86パーセント増額し、9億6900万ドルから現在の18億ドルとなりました。
また、運営の為のコストも56パーセント増額となり、16億ドルから現在の25億ドルにまで予算が膨らんでしまったとのことです。
火星への最適の打上げ時間帯は、惑星の配列のため26カ月毎に現れますので、MSLが再び遅れることになったら、Projectは少なくとも5億7000万ドルの費用が掛かる重要な再設計を必要とすると見積もっています。
公共事業の典型のような・・・
3.指摘事項
①3個の解決すべき点
・contamination of rock and soil samples collected by the Sample Acquisition/Sample Processing and Handling (SA/SPaH) subsystem
火星で岩石や土を採取する場合のシステムが十分ではないようです。目的のサンプル以外に何か混ざったら、正確な分析は出来ませんね。
・development of flight software
火星まで行くためのsoftwareに問題があるとは、意外です。NASAの得意とするところと思ってましたが・・・
・development of the fault protection systems
システムの冗長性確保が十分ではないということかな~
②おまけで
・In addition, management is evaluating the mission impact of unexpected degradation of the MSL’s power source, the Multi-Mission Radioisotope Thermoelectric Generator (MMRTG).
MMRTGは、大事でしょう!これ無かったら、念のため太陽パネル積んでいきますか?
行くにも不安。行ってからも不安。やることも不安。
ちょっと大丈夫でしょうか?
下記は、2009年6月と2010年11月そして2011年2月の各Taskの完了見込みです。(一寸見難いですが)
例えば、SA/SPaHですと09年には10年2月完了予定だったものが11年には11年6月完了予定となっています。
この表に載っているもので10年と11年で変わっていないのは、Launch Vehicle、Flight Software、Guidance, Navigation, and Control、Kennedy Operationsです。
しかしながら、Flight Softwareは、11年5月に完了予定ですが今回の査察で解決すべき3点の1つとなってます。
Table 1. Critical Tasks for Completion Prior to Launch
Task Planned Completion Date
Feb. 2009 Plan/ Nov. 2010 Plan/ Feb. 2011 Plan
--------------------------------------------------------------
Mechanical/
...................June 2010.......January 2011.....March 2011
Payload/
...................May 2009........January 2011.....May 2011
SA/SPaH/
...................February 2010...May 2011.........June 2011
Avionics/
...................June 2010.......March 2011.......May 2011
Launch Vehicle/
...................April 2011......April 2011.......April 2011
Flight Software/
...................June 2010.......May 2011.........May 2011
Assembly, Test, and Launch Operations/
...................January 2011....May 2011.........June 2011
Testbeds/
...................April 2010......June 2011........July 2011
Guidance, Navigation, and Control/
...................December 2010...July 2011........July 2011
Kennedy Operations/
...................September 2011..November 2011....November 2011
MMRTG/
...................April 2011......April 2011.......June 2011
4.結果
この報告では、監査結果に対してNASAは、同意し、対応策と今後の実行計画を説明したとのことです。
MSLは、予定通り打上げられる事となったようで一安心です。
でも、追加予算は必要になりそうですね。
それにしても、この報告書によりますと2009年2月に、NASAは、数個の重要な要素と器具の納品遅延のため2年間MSLの打上を遅らせたとのことですが、当ブログの2008年12月7日には12月4日に延期の発表があったと書いてます。
当時のリンクが無くなっているので、ネタ元を確認できませんが・・・
まだ、着陸地点の発表が無いですね。
ぎりぎりまで掛かるのかな~。