火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

2倍の炭酸ガスでも・・・

2011-04-24 21:57:04 | 火星地形
NASAのJet Propulsion Laboratoryが4月21日に火星の南極に多量の二酸化炭素の氷(ドライアイス)の埋蔵を確認したと発表しました。
MRO(Mars Reconnaissance Orbiter)搭載のSHARAD(the Shallow Subsurface Radar)による地表下の探査によるものです。
コロラド州の研究者Roger Phillipsさん(the Mars Reconnaissance Orbiter's Shallow Radar instrumentのリーダー代理)たちが今週(と言うと4月18日週でしょうか)にthe journal Scienceで発表するそうです。

下の画像では、ドライアイスの厚さを色で示しており、赤が約600m、黄色が約400m、濃い青が100m以下を表示しています。



Phillipsさん達によりますと南極の水の氷をドライアイスが覆っていることは、以前から知られていましたが、今回確認したところでは、以前考えていたよりも30倍も多い量があることが分かりました。
その量は、12,000立方キロメートルでスペリオル湖と同じ量と言うことです。
そういわれてもピンと来ませんが、アメリカの人はこういう例えを良くしますね。
因みにスペリオル湖は、アメリカの5大湖で最大の湖です。

下記は、SHARADでのデーターです。
横に約330kmで南緯86-87°、東経280-10°。縦方向は、約1.7km。
SHARADは、イタリアの宇宙局(Space Agency)が提供したもので、ローマのSapienza大学がオペレーションをリードしているそうです。
そして、JPLと共同研究しています。




現在、火星大気の95%が二酸化炭素(CO2)ですが、南極のドライアイスの量は大気中のCO2の80%程度の量とのことです。
全部昇華した場合、火星全体で年間平均の気圧が75%増加することになるようです。
火星大気は、二酸化炭素が95.32%、窒素が2.7%、アルゴン 1.6%、酸素 0.13%、一酸化炭素 0.07%、水蒸気 0.03%、ネオン 微量となってます。
南極のドライアイスが全部溶ける可能性は、火星では結構頻繁にあります。
今までの研究結果から火星は、10万年かそれよりも短い周期で地軸が変動していることが分かっています。
南極が赤道になる可能性は、高いのです。
そうなった場合は、南極のドライアイスが全て気体となって今の大気と合体したら・・・
温室効果によって火星が暖かくなる~
どうもそうは簡単に行かないようです。残念です。
地球を悩ませている二酸化炭素の温室効果も火星のように薄い大気と低い湿度では、例え二酸化炭素が2倍に増加しても温室効果を発揮できないとのことです。
火星の南極には、ドライアイスの下に分厚い水の氷が有って、南極が赤道になった場合の真夏でも氷は、火星を冷やし続けるようですね。

下記に、HiRISEの画像
2009年8月18日の画像です。ESP_014342_0930
左は、南緯87°、東経268°辺りの520kmの範囲の画像です。
右は、左の四角い枠を拡大したものです。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メドベージェフさん語る | トップ | 待ち遠しい~ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

火星地形」カテゴリの最新記事