共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

昨日とは違った古楽によるモーツァルトの《レクイエム》を

2015年08月12日 21時13分50秒 | 日記
今日、伯母の告別式と初七日法要を無事に終えてきました。従姉は憔悴していましたが、「どこかで死期が近いであろうことは覚悟はしていた」と言っていました。

脳梗塞に倒れた後リハビリに励みながら5年もの時を生きた伯母もいれば、スキルス性胃癌が発見されて余命半年と言われながら3か月ももたなかった父もいる…人の一生とは、つくづく分からないものです。

昨日カール・ベームの指揮によるモーツァルトの《レクイエム》を転載しましたが、それをきいていて思い出したことがあります。御存知の通りモーツァルトの《レクイエム》は未完の大作として知られていて、モーツァルトの死後、弟子のジュスマイアーによって補筆完成されて依頼主に手渡されました。しかし後の音楽学者がジュスマイアーの凡庸さを嫌って、バイヤー版やモンダー版、ロビンズ・ランドン版といった、ジュスマイアー版を否定する立場で作られた様々な補筆完成版が発表されました。

しかし、伯母にいろんな《レクイエム》を聞かせてみたところ、ジュスマイアー版が一番好きだと言っていました。それを聞いて「私は音楽は何もわからないのよ」と言っていた伯母なりの審美眼にちょっと感心したのを覚えています。

そんな伯母が、カール・ベームの他に好きだったもうひとつのモーツァルトの《レクイエム》がありました。それが古楽器オケによる演奏のものです。始めは興味半分で聞かせてみたのですが、「これはこれでスッキリしてていいわね」といっていたので、これはこれで気に入ったのだろうと思ってCDをプレゼントしたのがフィリップ・ヘレヴェッヒェ指揮のものでした。従姉に聞いてみたら、これはこれで喜んで聞いていたようでした。

そんなわけで大変恐縮ですが、昨日に引き続きフィリップ・ヘレヴェッヒェによる《レクイエム》を転載しましたので、お付き合い頂きたいと思います。

この演奏を昨日に引き続き、亡き人に捧げたいと思います。

合掌。

Mozart: Requiem in D minor KV 626 | Philippe Herreweghe
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