今日1月31日は作曲家シューベルトの誕生日です。今から224年前の1797年の今日、フランツ・シューベルトは誕生しました。
交響曲やピアノ作品等、数多くの作品を残したシューベルト。特に歌曲には音楽の時間の鑑賞教材にもなっている『魔王』をはじめとして六百を越える膨大な数の作品を残し『歌曲王』の異名をとるほどです。
存命中は世間から思うような評価を受けられなかったシューベルトですが、学生の頃から多くの仲間に恵まれていました。その仲間内でコンサートが開かれたサロンは『シューベルティアーデ』と呼ばれ、
その中で次々と新曲が発表されていたといいます。
当時はピアニストとしても活躍していたシューベルトは、ピアノソナタや《楽興の時》《即興曲》といった沢山のピアノ作品を作曲しています。
その才能と作品を世に送り出すべく、シューベルティアーデの友人たちが中心となって尽力してシューベルトによるピアノリサイタルを開催して大成功を収めたこともありました。ところが、不運なことに同時期にイタリアからやってきていたヴァイオリンの鬼才パガニーニの超絶技巧リサイタルのニュースでウィーンは持ちきりになってしまって、その成功はすっかりかき消されてしまったのだとか…。
そんなシューベルトの誕生日を祝って、今日は私が個人的に大好きなピアノ作品《即興曲第3番変ト長調》の動画を掲載してみました。
オランダ出身のピアニスト、ミヒャエル・ツァルカによって2012年にニューヨークのメトロポリタン美術館で収録されたこの演奏には、かつてウィーンで活躍していた楽器製作者コンラート・グラーフ(1782〜1851)が1838年に制作したハンマーフリューゲルが使用されています。シューベルトが1828年に他界しているのでその10年後にこの楽器が制作されたことになり、シューベルトの時代そのものとは言えないかも知れませんが、この曲が作曲された当時の雰囲気を伝えてくれるものと言っても過言ではないものです。
何分古いもののため、ペダリングの時にギシギシと軋む音がしたりチューニングピッチが現代のピアノより低かったりしますが、現代の弦の張りの強いピアノとは違った柔らかな音色でのシューベルトをお楽しみください。
Happy Birthday Franz!