共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

吹奏楽経験者には懐かしいホルスト《吹奏楽のための組曲》より第1組曲

2023年05月15日 18時18分18秒 | 音楽
昨日からの雨が、今日も昼過ぎくらいまで残っていました。そんな中、今日は知人とオンラインでやりとりしていたのですが、そこでホルストの《吹奏楽のための組曲》の話になりました。

《吹奏楽のための組曲》は



組曲《惑星》で有名なイギリスの作曲家グスタフ・ホルスト(1874~1934)が書いた吹奏楽のための作品で、1909年に書かれた第1組曲と、1911年に書かれた第2組曲があります。この作品は日本の吹奏楽界でも取り上げられることの多い作品で、吹奏楽経験者との会話ではかなりの頻度で登場する曲です。

私も知人も吹奏楽経験者だったので、思わぬ懐かしい話題に花が咲きました。知人は第2組曲が好きなようでしたが、私は第1組曲の方が好きです。

《吹奏楽のための第1組曲》の作曲、初演の背景については不明点が多いのですが、1909年に作曲され、同年に初演したとされています。確実な所では1920年6月20日に、王立軍学学校で演奏されたことが分かっています。

《吹奏楽のための第1組曲》は、『シャコンヌ』『間奏曲』『マーチ』と名づけられた3つの曲から成っています。全体で10分弱の短い曲ですが非常に中身の濃い充実した作品で、切れ目なしに演奏されるようにホルストによって指示されています。

第1曲『シャコンヌ』では、爽快感のある簡潔なテーマを繰り返しつつ、装飾的な変奏を展開させていきます。雄大な展開が素晴らしい曲で、この曲のテーマが作品全体を支配しています。

第2曲『間奏曲』は、冒頭に現れる『シャコンヌ』のテーマを下敷きとしたリズミカルで躍動的なテーマが印象的です。中間部では民謡風のテーマが現れ、その後これら2つのテーマのモチーフが組み合わされながら展開していきます。

第3曲『マーチ』は、金管楽器とバスドラムの強打が印象的な如何にもマーチという感じのテーマと、『シャコンヌ』のテーマを発展させた民謡風のテーマから成ります。結尾ではこの2つのテーマが組み合わされ、華やかに音楽を締めくくります。

そんなわけで、今日はホルストの《吹奏楽のための第1組曲》をお聴きいただきたいと思います。下野竜也指揮による東京佼成ウィンドオーケストラの演奏で、ホルストが吹奏楽のために遺した名曲をお楽しみください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする