今日は、個人的にゴールデンウィーク明け初の小学校勤務でした。
その中で音楽の授業の補助に入ったのですが、授業中に音楽の先生が子どもたちに
「今日はある有名な作曲家2人の誕生日です。さて、誰と誰でしょうか?」
というクイズを出しました。そうは言っても子どもたちの知っているクラシックの作曲家名はかなり限られているので、音楽室の後ろの壁に貼ってある肖像画を見ながらあれやこれやと発表していました。
なかなか正解が出てこない中でタイムアップとなり、答えが発表されました。一人は来月私が本番で演奏する弦楽セレナーデの作曲者チャイコフスキー、そしてもう一人は
ドイツロマン派の巨匠ヨハネス・ブラームスです。小学生にはちょっとハイレベルだったようですが…。
1833年5月7日に生を受けたヨハネス・ブラームスは、4曲の交響曲や数多くのピアノ曲、ピアノ連弾曲から管弦楽にも編曲された《ハンガリー舞曲集》、合唱が壮大な《ドイツ・レクイエム》などの作品で知られています。
音楽室の肖像画や音楽の教科書には上の髭モジャの写真が掲載されますが、実は若き日のブラームスは
御覧のようになかなかのイケメンです(笑)。
御覧のようになかなかのイケメンです(笑)。
そんな今日誕生日のブラームスにあやかって、久しぶりに自筆譜シリーズをやってみることにしました。その自筆譜のひとつが
これです。これはブラームスにしては珍しい、パイプオルガンのための作品です。
交響曲をはじめとした絶対音楽の分野が有名なブラームスですが、実は活動初期の1850年代半ばに4曲と、最晩年に《11のコラール前奏曲 作品122》というオルガンのための作品を遺しています。上の写真は、初期に作曲された《前奏曲とフーガ ト短調》の自筆譜です。
基本的に精緻な筆致ながら、所々に荒っぽい書き方が目に付くところもあります。時に人と激しくぶつかり合ったりして、様々な軋轢を生じていたブラームスらしい一面が垣間見えるような気がします。
今日はその珍しいブラームスのオルガン曲《前奏曲とフーガ ト短調》をお聴き頂きたいと思います。1857年に、若きブラームスがバッハの重厚な対位法作品に影響を受けて作曲した、オルガンのための意欲作をご堪能ください。