昨日の酒宴を辞して終電で帰り着き、とりあえずシャワーだけ浴びて床に倒れ込み、ふと氣づいたら昼をとっくに過ぎていました…。
己のダメ人間っぷりに辟易しながらも、だからといって外の暑さの中に身を投じる氣にもならず、明日の小学校勤務に備える…という名目で、エアコンの効いた室内で過ごすことにしました。ただ、それだけでは芸が無いので、何かしら音楽を聴いて過ごそうと思い立ちました。
昨日の酒宴ではヴァーグナーだったので、今日はその対極にあるような静かな音楽を聴いてみようと押入れをガサガサしてみました。すると、久しく存在を忘れていたCDが出てきました。それがバッハの《ゴルトベルク変奏曲》です。
「オイオイ、またかよ…。」
と思われるかも知れませんが、今回のCDはギターでの演奏のものです。
これはハンガリーのギタリスト、ヨゼフ・エトヴェシュが演奏しているものです。
ギターでの《ゴルトベルク変奏曲》のCDはいくつかあるのですが、多くはギターデュオか一人のギタリストによる多重録音によるものです。それに対してこのエトヴェシュ盤は、純粋にギタリスト一人での演奏によるものです。
聴いてみると、ギターソロで演奏するための工夫として所々でメロディラインがオクターヴ高くなったり元に戻ってきたりするのですが、ギターの優しい音色のためかあまり不自然さは感じません。むしろ、これだけの大曲をギター1本で演奏していることに驚きます。
動画を探してみたら、エトヴェシュ本人が演奏しているものがありました。冒頭のアリアと第1変奏のみですが、ギターの音色によるバッハを是非お聴きになってみてください。