今日は3月11日、あの未曾有の災害である東日本大震災が発生した日です。あれから13年の時が経ちましたが、警察庁と復興庁によると、死者・行方不明者は2万2222人、避難者は2万9328人にのぼり、原発事故を逃れた福島県民が約9割を占めています。
13年前ということは、現在中学1年生が生まれた年に発生したことになります。だから、当然のことながら現在私が面倒をみている小学生たちは、あの大災害を全く知らないのです。
毎年拙ブログに書いていますが、私はあの時あざみ野の音楽教室にいて、子どもたちがやってくる前の準備をしていました。すると、ちょっと建物が揺れた…と思った次の瞬間、凄まじい横揺れに襲われたのです。
あの当時、職場のレッスン室のアップライトピアノには
防振などのためにキャスターにかませておくインシュレーターが設置されておらず、全てのピアノがゴン!ゴン!と轟音をたてながら勝手に動き始めてしまいました。幸いにして倒れたピアノは一台もありませんでしたが、後にこれを期に全てのレッスン室のピアノにインシュレーターがかまされることになったのは言うまでもありません。
私は全てのレッスン室の扉と出入口の扉を全開にして動線を確保してから受付の机に乗り、天井から提げられていたペンダントライトを両手で掴んで、更に受付の後ろでガタガタ揺れていたスチール棚を片足で押さえていました。あの強烈な揺れの中で、我ながらとんでもない格好をしていたものだと思います。
揺れが収まってからは、停電が発生して帰宅難民になったり、情報が遮断されたりして大変でした。それでも、東北三県の方々の苦しみや悲しみに比べれば、申し訳ないくらいに大したことはありません。
はからずも今年は元日に能登半島地震が発生し、津波や火災による被害も発生しました。東日本大震災を知らない世代にも強烈な印象を残していますが、あの震災を知る我々世代は、今こそ東日本大震災を知らない子どもたちに自身で体験したことを伝えていかなければなりません。
今日は、東日本大震災の全ての犠牲者の追悼に、ガブリエル・フォーレの《レクイエム》から第3曲『サンクトゥス』を送ります。一般に演奏される1900年フルオーケストラ版ではない1888年初演版での演奏で、フォーレの静謐な祈りの音楽をお聴きください。
ここに、東日本大震災犠牲者の御霊安かれと祈ります。
合掌。