昨日の天気予報では午前を中心に雨が予想されていましたが、蓋を開けてみれば薄日が差すような比較的安定した陽気となりました。そんな中、今日は月末に開催予定の運動会の全体練習があったのですが、コロナ禍に翻弄されて3年ぶりに全校開催になるとあって、子どもたちは勿論大人たちもテンヤワンヤでした。
ところで、今日10月18日はグノーの祥月命日です。
シャルル・フランソワ・グノー(1818〜1893)は、フランスの作曲家です。
1859年に発表した歌劇《ファウスト》、1867年に初演された《ロメオとジュリエット》で大成功をおさめたグノーは1870年から1875年まで戦乱を避けてイングランドに過ごしました。そこで王立合唱協会(ロイヤル・コーラル・ソサエティ)の首席指揮者を務めたグノーは、この頃から作品の多くが実質的に声楽曲や合唱曲となりました。
グノーは後半生において、主に宗教曲を手掛けるようになりました。中でもバッハの『平均律クラヴィーア曲集』第1巻第1曲の前奏曲にオリジナルの旋律をかぶせた《アヴェ・マリア》は有名で、《グノーのアヴェ・マリア》と称されています。
他にも2つの交響曲はハイドンやモーツァルトらの作品を熟知した上で作曲されていて、これらは後に17歳のビゼーが《交響曲ハ長調》を作曲する上でも手本となりました。そんなグノーは1893年の10月18日、パリ郊外のサン=クルーで死去しました(享年75)。
そんなグノー作品から、今日は《レクイエムハ長調》をご紹介しようと思います。
グノーは14のミサ曲と4曲の荘厳ミサ、そして3つのレクイエムを作曲していますが、《レクイエム ハ長調》はグノー自身の死の年1893年に作曲されました。半音階で上昇と下降を繰り返す不安げな音楽は意味ありげですが、これは華やかなオペラを作り出してきたグノーが、自身の死の年に作られたことに関係があるのかも知れません。
当初はオルガンのみの伴奏で書かれましたが、その後フルオーケストラ伴奏の楽譜も出版されました。今回はオルガンに弦楽四重奏を加えたバージョンでお聴きいただきたいと思います。