これが咲いていました。
ナガミヒナゲシの原産は、地中海を中心としたヨーロッパです。日本には輸入穀物などに紛れて渡来したと推測され、1961年に東京都世田谷区で初めて確認されて以降、帰化植物として日本各地で自生したといわれています。
2016年以降はその有毒性や繁殖力の強さから、神奈川県をはじめとする複数の自治体で、住民に対して
「特定外来生物や生態系被害防止外来種(要注意外来生物)には指定されていないものの、これらと同様に生態系に大きな影響を与える外来植物」
としてナガミヒナゲシの危険性を周知するとともに、駆除の協力を呼びかけるに至っています。ところが、その一方で周知が十分に行き届いていない面も見られ、個人レベルでは雑草駆除をこまめに行っているような人であっても、
「花がきれいだから」
という理由で駆除せずに残してしまうケースも多く見られ、そうした背景も繁殖を手助けしている要因となってしまっているようです。
ナガミヒナゲシにはアルカロイド性の有害物質が含まれています。害虫や動物から身を守るための植物毒のため、うっかり素手で茎を触ったり折ったりすると、手がかぶれる恐れがあります。
また、ナガミヒナゲシは『アレロパシー活性』が強いのも大きな特徴です。アレロパシーとは植物が放出する物質の一部で、ほかの植物の生育を阻害したり、害虫や動物を寄せ付けないようにしたりする性質があります。
ナガミヒナゲシの発生場所は道路沿いが中心ですが、農地のあぜ道や公私の花壇への侵入も確認できます。もしお庭に生えている場合は手塩にかけた植栽に影響を及ぼす危険性があるので、見つけたらなるべく早く駆除するようにしてほしいと思います。
また、違う子どもたちからは
この花を聞かれました。
この花の名前は『ユウゲショウ(夕化粧)』といいます。ただ、こんな和風な名前をしていながら、こちらも外来種です。
ユウゲショウの原産地は南米から北米南部で、現在は帰化植物として、日本のみならず世界中の温暖な地域に広く分布しています。日本では明治時代に観賞用として移入されたものが日本全国で野生化していて、道端や空き地でよく見かけることができます。
ピンク色の花を咲かせて一見愛らしいのですが、こちらも毒性はないものの繁殖力が強い植物です。そのため、日本に古来から生息しているスミレなどの在来種の育成を阻害する恐れがあるので注意が必要です。
こうして見ると、何気なく見かけている植物が意外と外来種だったりするものです。なので、もし見かけた場合、権限的に問題がないところであれば撤去していただきたいと思います。
特にナガミヒナゲシを撤去する際には、手がかぶれてしまわないようにゴム手袋をしてください。また、ナガミヒナゲシは未熟な実でも発芽する力をもっているので、種をこぼさないようにして焼却処分していただきたいと思います。