今日は朝からあまり気温の上がらない一日となりました。もういい加減、半袖シャツはお蔵入りさせてもいいかな…と思うような陽気になってきたような気がしています。
ところで、今日10月25日は19世紀フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼー(1838〜1875)の誕生日です。
声楽教師の父とピアニストの母との間に生まれたビゼーは幼い頃から音楽に親しみ、9歳でパリ音楽院に入学し、19歳でカンタータ『クローヴィスとクロティルデ』で、当時の作曲家としての最高の権威であるローマ大賞を獲得しました。
その後はオペラなどの劇音楽を作曲の中心とし、25歳のに発表したオペラ《真珠採り》でオペラ作曲家の地位を確立しました。その後、フランス人の作家アルフォンス・ドーデ(1840〜1897)の劇《アルルの女》の付随音楽や、今やビゼー作品の代名詞と言っても過言ではないオペラ《カルメン》などを作曲しました。
ビゼーは《カルメン》初演の約3ヵ月後である1875年6月3日、敗血症のため36歳の若さで死去しました。しかし、死後に未発表の交響曲第1番が発見されて初演されたりしたことで、彼の音楽は世界的に認められるようになっていきました。
私は《カルメン》の舞台に2度ほどオーケストラで参加したこともありますし、オーケストラの演奏会で《カルメン》の組曲も何度か演奏してきました。しかし、実は一番演奏回数が多いビゼー作品は《アルルの女》組曲です。
《アルルの女》は、アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女』に基づく戯曲で、その上演のためにビゼーが1872年に作曲した全27曲の付随音楽です。ただ今日では戯曲そのものよりも、後に付随音楽から抜粋・編曲された2つの組曲の方が一般には最も広く知られています。
その中でもとりわけ有名なのが、第2組曲の『メヌエット』でしょう。フルートとハープで始まる優雅なメヌエットは、単体でフルートの名曲としても有名になっています。
個人的な話ですが、私はこの曲を聴くと小学校の給食の時間を思い出します。給食を食べ終えて食器の片付け時間になると毎回この曲が放送されていたので、ちゃんとした題名を知る前に曲ばかりが先行して頭に入っていたことを思い出します(笑)。
ただ、他の人に聞いてみると
「小学校の下校の時の音楽だった」
とか
「掃除の時の音楽だった」
とかいう声も聞かれます。曲の雰囲気としても時間的長さとしても、そうした場面にこの曲はマッチしていた…ということでしょうか。
そんなわけで、ビゼーの誕生日である今日はその名曲『メヌエット』をお聴きいただきたいと思います。小学校で様々な用途に使われた、美しいビゼーの音楽をお楽しみください。