今日は朝から、時折激しい風雨の吹き荒れる春の嵐となりました。
そんな天候の中、今日我が家に新しい家具が到着しました。それが
このアンティークの椅子です。これは、昔お仕事で御一緒していた方のお宅にあったもので、その方が他界されたことでの形見分けとして奥様から頂戴しました。
奥様のお話によると、このオーク材製の椅子はかつてイギリスでお求めになったものということでした。17世紀後半に流行したジャコビアン様式に基づくデザインとなっていますが、実際にはそこまで古いものではなく、19世紀末から20世紀初頭頃にイギリスで作られたものだろうということでした。
ジャコビアン様式の家具によく見られるのが『バーリーシュガーツイスト』というデザインです。これは木材のろくろ挽き技術の進化で可能となった加工法のひとつで、
こうしたネジネジしたデザインが特徴です。
バーリーシュガーツイストは『麦芽のねじり飴』という意味です。これは大麦(barley)の麦芽糖(sugar)で作った飴を
こうしてねじりん棒(twist)にしたお菓子で、この形に似たデザインであることに由来しています。
故人はかつては大変お世話になった方で、何度かお宅に伺った時にこの椅子にも座らせて頂いたこともありました。今回思いがけない再会となりましたが、故人が愛用していた貴重な椅子ですから、私もこれから大切に使っていこうと思います。