11.3.11の大地震・大津波で言語を絶する大被害を受け、復興もままならない時、また複雑を極め、改善の方策も見当たらない東京でオリンピックを開催するというので驚きましたが、国も、多くのスポーツ愛好家も乗り気になり、IOCも賛成し、開催が決まってまた驚きました。
しかし、どことなく最初から異常な雰囲気がありました。主会場の設計で設計の途中で担当を代える事件が発生し、先の担当者に違約金50億円以上を払ったことも驚きました。誘致のために1億円規模の贈賄をしたとの情報が流れたことも驚きました。
予想以上にお金がかかり、収支は大赤字との予想が流れ、これは大損だと思っている時に新型コロナウイルスが流行して2020年の開催が1年延期になったので仰天です。国や東京都が大損しただけでなく、開催を当てにしていろいろと投資をした会社まで大損しました。さらに延期による巨額な追加損も増えています。損が大きすぎて楽しいオリンピックという感じではありません。
菅義偉総理は、新年の挨拶で新型コロナウイルスに勝った証としてオリンピックを開催すると言ったのですが、何とも意味不明な言葉で、ウイルスに勝つ決意を言ったようでもあり、とりようによっては、ウイルス禍が続いていたらやめると言ったような感じもします。
そして、今、2021年2月、いまだにウイルス禍はやまず、IOCも日本も東京都もやると言うのだが、やる決定はしていない状態です。とうとう、日本の人々だけでなく、世界の人々が、迷っていないで中止と決めてはどうかと言い始めました。
そして今回東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長森喜朗氏の口から、ウイルス禍の問題で、無観客でやるお話しが出たり、協力者に対する、冗談がすぎる乱暴発言や女性差別と受けとめられる発言が飛び出し、協力しないと言う人が出たり、会長やめろとの人々の声が大きくなったりしています。辞任に追い込まれること、または解任を恐れて謝罪しまくる森氏の言動がまた彼の老害ぶり、さらには会長失格を証明するような卑屈な態度でこれまた人々の批判を集めている始末です。
どうも悪いことが続くオリンピックです。
昔の東京オリンピックと比較すると、開催する目的が複雑で、空元気、経済効果を狙った大イベント主義、東京都改善にオリンピックを利用する考え、国威拡大などの不純な動機が入り混じり、世界の人々に楽しんでいただく、スポーツを通じた世界平和の祭典を開きたいという心が消えているような感じがしてなりません。何が何でも強行したいという日本の意地ばかり目立ちます。