都市部でいわゆるパワービルダーと呼ばれる分譲住宅建設業者が業績を伸ばしています。
従来からある大手住宅建設業者ではなく、地元の中小業者が中心です。
集合住宅の問題点が明らかになるにつれて、一戸建てが再認識されてきたが、5000万円以上する一戸建ては買えないという人々が5000万円以下の一戸建て狭小住宅を買っています。
一戸建て狭小住宅は値段を抑えるため宅地は30坪以下、その上にできるだけ床面積をとりたいということで総二階の住宅になっており、隣家側の窓を開けるとそこには隣家の窓があり、家の前には駐車場をつくりますから庭らしい庭はありません。
このような層を狙って一戸建て狭小分譲住宅を建設して業績を伸ばしている会社がパワービルダーと呼ばれています。
しかし戦後の文化住宅と呼ばれた一戸建て狭小住宅がすぐ消えたように現代の一戸建て狭小住宅も消える運命にあると思います。
一番の問題は住みにくさです。
住んでいると次第に家族が増える、家具など買ったものが増えることになりますが、狭苦しさが一番の問題です。
集合住宅より隣家は遠いのですが、窓を開けるとそこに隣家の窓があるというのは何とも隣家が気になります。
庭らしい庭はありませんから、庭づくりを楽しむと言ってもたいしたことはできません。
子供を庭で遊ばせるとなると、車を道路に出して駐車場で遊ばせることになります。
やがて住んでいる人が、もっといい住宅に住みかえたいと思うようになり、住宅維持に力が入りません。
住宅の老朽化が加速します。
一戸建て狭小住宅はほとんどが木造です。
延焼の恐れが高くなります。
老朽化すればやがて再開発が必要になるような雑然とした町になります。
現代流行の一戸建て狭小住宅は永続性がありません。
今後はどんどん人口が減ります。
空き家がどんどん増えます。
中古がのった60坪ぐらいの宅地がどんどん売りにでます。
3000-4000万円で買えると思います。
若い人はちょっと不動産の動向を調べて、安易にパワービルダーや不動産仲介業者の甘言にのって一戸建て狭小住宅に手をださないことが賢明です。
5000万円以下と言っても一戸建て狭小住宅は高い買い物です。
一度買ってしまえばなかなか次の不動産は買えないでしょう。
高く売りたいと思っても30坪以下の宅地では高く売れないでしょう。