東京電力福島第一原発(事故原発)を視察した菅義偉総理は、水で希釈した放射性水素を含む汚染水を見せられ、原発の人から飲めると言われて、感心し、風評被害をなくさなければならないと言ったそうです。放射性物質の危険性がわかっていません。早晩、海に捨てるか、蒸発させて大気中に拡散させるでしょう。
原発敷地内に貯まった大量の汚染水については、自然界に捨てないで、いまだ除去できないでいる炉内あるいは炉の下に残っていると思われる燃料棒のデブリや、プールに保存している使用済み燃料棒の冷却に循環使用すれば、新しい水を使って汚染水を増やすようなことをやめることができると思います。自然を放射性物質で汚染しないという信念を欠いているため、放射性物質を原発敷地内に閉じ込める工夫努力が足りないと思います。
今地球環境改善が重要な課題になっています。国連、さらには世界から石炭火力の利用を続ける日本が厳しく批判されています。石炭以外の炭素系燃料についても積極的に消費を減らすことが求められています。この問題に対応するため菅内閣は原発の再稼動を重視しているようです。しかし、原発稼動は放射性廃棄物を増やします。この放射性廃棄物の処理処分技術がありません。地下深く埋めるアイデアがありますが、その安全性、永久安全保管の実行の可能性の検証ができていません。埋めると言っても、単純に埋めるだけではありません。頑丈な地下室をつくってその中に保管し、子孫が保管状態を定期的に調べ、洩れの危険が生じれば対策を講じなければなりません。子孫のいったい誰がこのような仕事をやりたいと思うでしょうか。先祖の無責任に腹が立つだけでしょう。
原子力に依存してはいけません。核融合なら安全という考えがありますがうそです。中性子が炉壁などに当たって放射化するためやはり大量の放射性廃棄物が出ます。そもそも原子力利用は、地球上に新たに熱源を設けることになります。地球温暖化の原因になります。
地球上に来る太陽光などの自然エネルギーは自然現象です。自然エネルギーを利用して発電しても水素を生産しても、地球上のエネルギー収支はバランスしています。自然エネルギーはエネルギー供給に波が生じるという問題についてはエネルギー貯蔵技術で対応できます。現在は、自然エネルギーを水素に変え、水素として貯蔵輸送使用することが一番現実的です。
日本はまずは省エネルギーに全力を注ぎ、その間、自然エネルギー利用技術開発を行うことが最善です。いまだに日本は都市ガスを各家庭に供給していますが、これは省エネルギーになっていません。炭素系燃料は発電に回し、電力を各家庭に供給した方が省エネルギーになります。政府も人々も省エネルギーに熱心ではないと思います。炭素系燃料消費を減らすことは現代の常識と思いますが、政府も人々も省エネルギーに無関心です。
ウイルス禍は大問題ですが、結果、省エネルギーになっているので複雑な気持ちです。ウイルス禍の渦中、人々は、生きるのに必要なもの・サービスの提供事業・仕事は必死に維持しています。これが根幹産業です。しかし、必要度の低い行動を抑制し、感染拡大を防いでいます。これが枝葉産業です。枝葉産業分野が消費するエネルギーも非常に多いのですが、今は消費量が大幅に下がっており、結果、省エネルギーになっています。