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25円(3)

 もう腹が立つからガソリンのことなど記事にしたくない。何が悲しくって1日経っただけで、ガソリンが1ℓ30円も値上がりするのか。馬鹿らしくってやるせなくって、あいた口がふさがらない。ふさがらないけど、何か叫ぼうとしても、虚しさしか浮かんでこないから言葉にならない。

 このところずっと各マスコミでガソリン税についての解説を目にしたり耳にしたりしてきたが、どうしたって納得がいかないのは、1ℓ25円という金額だ。田中角栄の時代に決められたそうだが、そんなどんぶり勘定がまかり通っていた頃の税率をどうして今も維持しようというのか。どうしても25円必要だという説明を聞いたことがない。このガソリン税によって年間2兆円以上の税収があるそうだが、その金額を守ることだけを至上命題として、愚にも付かない理屈を展開するものだから、どうしたって政府・与党の言説など信用できなくなる。「始めに2兆余円ありき」という前提でそれを死守しようとするばかりだからどうしようもない。なさらには、その巨額の税金を道路整備だけに使っているわけではないことが、次々と明るみにされたのだから、いくら強弁したところで我々国民は鼻白むだけだ。本当に25円も徴収する必要などないことくらい、国民すべてが知ってしまったのにあくまでも突っぱねようという厚顔さ。まったく恐れ入る・・。
 道路整備が必要なことはわたしでも分かる。新しい道路がさほど必要だとは思わないが、既存の道路を走りやすいように維持管理することは、自動車の燃費向上にも役立ち、ひいては環境にもいい影響を与えるだろう。だから、そのためにお金が必要だと言われるのなら喜んで出そう。しかし、だからと言って25円も必要だとはとても思えない。歳出を必死の努力で切り詰めた上で、これだけ拠出してください、と我々に示してくれたならば誰もがない袖でも振ろうとするだろう。しかし、この一ヶ月間そんな説明は一切なかった。政府与党の議員は25円の復活を訴えるのみで、15円に下げようとか、10円だけはお願いしますとか、そんなことを言った議員は、私が知る限りでは一人もいなかった。
 賃上げ交渉でも、いったん話し合いが決裂したら、労使双方が妥協点を探りあいながら歩み寄るのが常道であろう。それなのに、まったくそんなそぶりを見せず、当たり前のようにして強引に満額回答を押し付けてくるその節操のなさにはほとほとあきれ返ってしまう。一般財源化するというが、どうしてガソリン代に上乗せして払った税金をまったく関係のない分野に使おうとするのか、それもまったく理解できない。毎年多くの余剰金が出て使い道に困っているようだから、別の方面に使えるようにしろと、いうことなんだろうが、それはもともと税金を取りすぎているからじゃないか。要するに25円徴収する必要はないのではないか!と思わざるを得ない。

 しかし、今回のことでも再認識できたのが、私たち日本人はなんて大人しい国民なのだという思いだ。ここまで政府に愚弄されても、何も動かない。ただただガソリンスタンドで値上げ前の安いガソリンを求めて長蛇の列を作るのがせめてもの抵抗・・。分別くさくていやになってしまうが、そんな私でも値上げを見越して日曜あたりから、せっせとセルフスタンドでできるだけ多くの車を満タンにするよう走り回っていたから、何をかいわんや、である。ただ、私には大きな目論見違いがあった。私が乗っているバスは最大限安いガソリンを利用しようと思って、火曜の塾が終わってから日付が変わる12時までに給油しようと決めていた。ところが夜9時過ぎにスタンドの前を通ったら、長い車列ができていたので、これはひょっとしたら時間までに給油できないかな、と少しばかり不安になった。それでも何とかなるだろうと高をくくって11時過ぎに生徒を送ってそのスタンド近くまで行ったところ、電気が消えて真っ暗になっていた。「売切れたか・・」と半分近くまで下がっていたガソリンのメーターを見ながら、自分の見通しの甘さを痛感した。あれだけ並んでいたら、無くなって当然だよな、こんなことなら昼のうちに給油しておけばよかった・・・。
 明けて水曜の朝、そのスタンドの前を通ったら、前日には122円だったレギュラーが152円だと表示されていた。おお、早くも30円高!!
 辛い!!!!


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