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琴欧洲(3)

 ワッハッハ~~~~~!!!!!!!
 琴欧洲優勝で大相撲5月場所は終了した。中日終了時点で琴欧洲の優勝を予見するような記事を書いた私としては、恐悦至極の結果であるが、琴欧洲の素質を考えてみればそれほど自賛するほどのことではない。大関昇進までは最短記録を数々塗り替えてきた琴欧洲にしてみれば遅きに失した感のある優勝だ。


 琴欧洲の表彰式でのインタビューはたどたどしい日本語ながら初優勝した喜びを表したものとして好印象を受けた。それなのに、
「満面笑みで雄叫びをあげる琴欧洲の優勝インタビューも、見方によっては見苦しかった。14場所連続して外国出身力士の優勝。喜びの表現方法が違うのはわかる。だが「秘すれば花」は、力士が持たねばならない神髄ではないのか」(毎日JP)
という見解があるのには驚いた。どうしてそこまで己の感情を押し隠す必要があるのか。千秋楽で勝ち越しを決めた力士や、三賞を受賞した力士が何人かいたが、通路や控えで喜びをあらわにする力士も多かった。その映像を見ながら、彼らの喜びが私にも伝わってきて、喜びを共有できた思いがして随分嬉しかった。そうした素直な気持ちを表現して何が悪いのだろう。「秘すれば花」などという日本的な美学も分からないではない。確かに大げさな感情表現は、昔ながらの日本的な感覚にすればふさわしくないかもしれない。だが、嬉しいときには嬉しさを素直に表すことをなぜ許してはいけないのだろう。
 
 そうは言っても、結びの一番で両横綱が土俵上で示した態度には私も憤慨した。その場面を再現すれば次のようだ。
 立会い厳しく突っ込んだ朝青龍の引きに白鵬があっさり土俵に両手をついて勝負は決まった。しかし、その白鵬を朝青龍が両手で突き放すようにダメ押しをした。それに応えるかのように、白鵬も起き上がりざまに右肩で相手の胸を突き返した。瞬間、横綱同士が土俵中央でにらみ合う。


 私も長い間相撲を見てきたが、勝負の付いた横綱同士が土俵上でにらみ合うなどというのは見たことがない。「自分の出足もあるから」と勢いが余ったと朝青龍は言い、白鵬は「(朝青龍が)先に仕掛けた」と終始憤然としていたというが、これこそ指弾されるべき態度ではないだろうか。相撲には勢いというものがあり、ダメを押さざるを得ない場合もあるだろう。しかし、それもお互い様のことで、自分がそうされたと言っても激昂するのは余りに短絡過ぎる。喧嘩両成敗というものの、実況を見ていた私には、白鵬が必要以上に反応したようにしか思えなかった。両横綱ともけがなどで白星が伸びずにイライラが募った場所だったには違いないが、こういうときこそ横綱としての「品格」が問われる。そういう観点から言えば、残念ながら両横綱ともまだまだ名横綱の域には達していないのは明らかだ。

 さあ、来場所は琴欧洲の綱とり場所だ。なにせ、カド番大関からの優勝だけに来場所での横綱昇進には否定的な見解が多いが、今場所のように安定した力強い相撲を続けさえすれば、自ずと結果は現れる。そのためには、13日目の安美錦戦に見せた精神的弱さを克服することが最大の課題だ。私としては、今場所の成績を自信にかえて、来場所で横綱昇進を決められるよう、応援するばかりだ。
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