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朴葉寿司

 水曜日に抜歯した後の痛みが少し弱まったのに気をよくして、お千代保稲荷に出かけた。とは言え、痛み止めはしっかり飲んでのことではあるが・・。
 ゴールデンウィークが終わったばかりに金曜日なので、きっと人手は少ないだろうと目論んでいたら、参拝客は思いのほか多かった。しかし、参道に並ぶ店のいくつかが休業していたのは少々寂しかった。いつも昼食を食べるうどん屋も閉店していた。一緒に行った伯母は、そこで食事をするのが一番の楽しみらしく、ひどくがっかりしていた。仕方なしに別の店を探して入ったが、あまり美味しくなくて、みんなでがっかりした。いくら参拝が主旨だとは言え、楽しみがなくては詰まらない。やはり日曜に参拝したほうが活気があっていいのかもしれないが、今月の残りの日曜は、中間試験対策の補習をしなければならないので、もう平日にしか参拝できない。楽しみを来月まで持ち越したと思うことにしよう・・。
 
 「先月行ったスーパーに行ってみようか」と参拝を終え、車に乗ったら伯母が誘った。そう言えば、先月お稲荷さんを参拝した帰り道、高速道路のインター付近にあったスーパーに立ち寄って買い物したのを思い出した。「あっ、朴葉寿司ね」と妻も思い出したようだ。朴葉寿司と言うのは、ちらし寿司を朴の葉に包んだ寿司のことで、木曾地方を中心に5月から6月にかけて作られる郷土料理のことだ。「朴の葉には殺菌効果があるといわれ、昔木曽義仲が戦いに出陣するときに携帯食として、米や味噌を朴の葉で包んで持っていったといわれています。ほんのりと香る朴の葉の香りが食欲をそそります」などとPCで検索したら書いてあったが、先月から売られていたのだから、ずいぶん早いお目見えだったようだ。それをスーパーで見つけて買い、すぐに車の中で妻と二人で食べた伯母は「美味しい、美味しい」と舌鼓を打っていた。あれだけ嬉しそうだったから、また食べたくなるのも当然だろう。まっすぐスーパーに向かった。


 すぐにこのパックを見つけた伯母は、2つ買って1パックを私たちにくれた。すぐに食べるのかなと思っていたら、今回は家に持ち帰ってから食べると決めていたようで、車の中ではお稲荷さんで買った鬼饅頭を食べていた・・・。

 ここまで傍で眺めていた私はブログに朴葉寿司のことを書こうと決めていた。家に帰って寿司の中身の写真を撮り、作り方を調べて載せれば簡単に記事ができあがる、とほくそ笑んでいた。しかし・・、家に帰っても妻がパックをあけようとしない。「今日は食べない」などと言って私に写真を撮らせてくれないのだ。なんて意地悪だ・・。私は白米を食べないから、自分で封を開けて「食べるぞ!」ということができない。心の中では地団太を踏む思いだったが、「ふ~~ん・・」とやせ我慢してその場を去った。どうやって記事を誤魔化そうか?ちょっと困ってしまった。
 ところがお稲荷さんの霊験あらたかとはこのことだろうか、塾が終わって家に戻ったら、妻が「これの写真を撮ったら?」と皿を指差した。そこにはなんと朴葉寿司が乗っているではないか!


 「どうしたの?」と少々不思議に思った私は妻に尋ねた。「これは○○さんちが持ってきてくれたの」と親戚の名前を言った。「へえ、不思議なこともあるもんだな」「そうでしょう、私も不思議・・」その親戚から朴葉寿司をもらうなんて初めてだ。しかも、選りによって偶然朴葉寿司をスーパーで買ってきた日に・・。なんて奇遇なんだろう。「こんなこともあるんだな」などと言いながらもあまりの幸運さに内心躍り上がらんばかりだった!早速写真に収めた。


 「しかし、どうしよう・・」妻が浮かない顔をした。そりゃそうだろう、私は食べないし、父も「朴葉寿司は嫌いだ」とずいぶん前から宣言しているから、きっと見向きもしないだろう。だから結局妻が全部食べることになる・・。せいぜい頑張ってくれ・・。

 
参考までに「朴葉寿司の作り方」。
  
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