今年4月初めに是枝裕和氏が早稲田大学の入学式で述べられた祝辞を最近あらためて読み返しています。
仕事をしているときに、ふと思い出し「あれはロックかヒップホップの考えではないか?」そこまで思いました。
ちょっと大げさですが、今この考え方は本当に必要なのではないでしょうか?
内容の本質をとてもうまくまとめられている岩槻優佑さんのツイートを引用させていただくと、
是枝監督の早稲田入学式の祝辞良かった。真っ当な怒りは社会に疑問を持つことから立脚してるということ、「大人の敵になる」ということは常に世界側(=多数派)ではなくその反対に立つということ。ものわかりのいい大人になることは常に弱者を蹂躙することに加担する可能性を持つ。社会に不可欠な視点だ
— 岩槻優佑 (@yuu_iwatsuki) April 13, 2022
この本質を是枝氏はわかりやすくうまく心に残るように伝えておられすごいと思うのです。
また、若い頃に自ら学ぼうとしたことしか身につかない、だからこそ、若い時期は大切だということも、僕自身本当に共感します。
今、この歳になって実感しています。本当ですよ、若い皆様。
今のうちに知りたいことを知って、やりたいことをやっておいてください。
それが是枝氏のように仕事になるかどうかはわからないけれど、それは決して人生の無駄にはならないです。そこで身についたことは何らかの形で役に立ちます。不思議なぐらいに。
だからこそ、その時に何かプラスでマイナスか、まったくわからないです。
今の皆さんの価値基準に照らして、役に立つか立たないか。で時間を捉えるのはやめたほうがいい。そんなことで物の価値は決まらない。むしろテレビやネットがいいぞ、見ろ、買えと言い募るものなど目もくれずに自分だけのお気に入りの城を作った方がいい。そう、思います。特に大学時代は。
しみじみ感じ入りますね。
それから、やはり「大人の敵になる」部分は重要で、そうなることだけが社会の「更新の原動力」になる、より良い社会にしていく(=更新)力になるわけで、「更新」していく「後進」となっていくことを期待している、ということでしょう。
ま、ダジャレはどうでもいいのですが、冒頭のリンク先にある是枝裕和氏の祝辞。
全文読むのは…という方は、後半「教員として早稲田の学生と話していて一番感じるのは…」のところからだけでも読んで下さい。
ところで、忘れていたのですが、カンヌだったんですね、この週末。
ネットでニュースを見ていたら是枝裕和氏が最新作「ベイビー・ブローカー」を出品されていて、外部団体が選出する「エキュメニカル賞」を受賞されたそうです。おめでとうございます。
この作品も社会問題を題材にされていて、「赤ちゃんポスト」についての作品だそうです。日本でも決して無視できない問題のひとつですね。
日本での劇場公開は6月24日だそうです。