8月8日に南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表され、2019年からの運用の中で初めてだったこともあり、なかなか難しい判断を求められたりして、僕個人としても「なかなか微妙だな」と当初から思っています。
そこで、発表からいろいろと思ったこと感じたことなどを書いてみます。今日はその2回目です。
8月8日16時43分頃に日向灘での地震が起きて、その後17時30分から「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が行われ、19時15分に南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が出ました。
この一連の流れの中で、時間を見ると、8月8日18時35分にFNNが下記のニュース記事を出しています。
検討会が行われていて、まだ結論が出ていない段階で、このような不安を煽る(あおる)ような見出しの記事を出すのはどうかな?と思ったのです。このような報道はこのタイミングではなく、臨時情報など発表されていない普段から広く伝えられるべき内容です。
また結論が出た後でも、冷静な判断が促さなければならない状況で、この見出しは恣意的だと思いました。
マスコミの本来の存在意義を忘れ、単にアクセス数集め、読者集めをしているだけです。
それをわかっているのか、記事本文冒頭で「※以下は南海トラフ地震についてまとめたものですが、最悪の被害を想定したものです。」の記述。
気象庁も政府も、その可能性に留意しつつも、注意しながら通常の生活を行う、ということを言っています。
それに何度も言いますが、今回この運用の中で初めての臨時情報の発表です。マスコミも含めて、社会全体がつとめて冷静であるべきだと思うのです。
今回のようなことを踏まえ、次回同じような状況のときは、検討会が行われ結論が出ていない段階では、このような先走った内容の報道を自重するなどの対応を考えてもらいたいと僕は思います。
以前に少し触れたことがありますが、マスコミが本来の存在意義を忘れ、このような「隙」をみせるからこそ、政府から安々と圧力がかけられたり、つけこまれたり、規制がかけられるようなことになるのだと思います。
国民のほうを常に向いた本来の仕事をしていただきたいものです。
そして、この件FNNだけではないようで、この記事を見た後も他社が追従したのか、似た記事が散見されるようになり、日本のマスコミ特有の横並び状態(日本人の集団心理の一端)となったようです。
さらに、それがそこからすべての人がリテラシーがあるわけではないので、国民生活の現場では静かなパニックを引き起こしている一因になっているとも思えます。
そのことは次回書きます。
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