反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書) | |
湯浅 誠 | |
岩波書店 |
湯浅さんの本をやっと読了。
一度途中まで読んで自分の体験と近いあまりにリアルな事例の紹介に非常にブルーになって読むのをやめていたが、この7月ぐらいだったか、想うところあってまた頭から読み始めた。
購入してから結構経っていて、購入したMARUZEN&JUNKUDO書店の紙カバーを外してみれば、2011年の年末であったことがわかり驚愕。
内容は、これまで僕が30代に体験したことのもっとひどい状態からなんとかしていこうとする、いや、できることの紹介、その現実。児童虐待や犯罪が貧困から追い詰められて起こる現実。この近代国家・日本でいかに機能するはずのものが機能していないか。それに対する勝手な自己責任論。貧困をなくすための動き、そして広がり。
すべてが自分が体験したことから感じたことの裏打ち。自己責任と言っても個人の力では限界があり、それ以上のことはどうしようもない現実を自己責任論で一蹴するのはそれ自体が無責任。国が社会が一緒になって考えないといずれあなた自身も同じ轍を踏む可能性があることを危機感を持って知っておくべき。
この本が書かれてから数年、その後の展開が今どうなっているのか知りたいぐらいだった。