写真屋さんに現像に出して仕上がりを見ると、撮影したときにはファインダーに入っていたハズの画面の端がプリントでは切れて入っていなかった、という経験はないでしょうか。
これは、
(イ)カメラのファインダーで区切られた範囲と実際にフィルムに写っている範囲に違いがあること
と
(ロ)フィルムに写っている範囲とプリントになる範囲に違いがあること
が、主な原因です。
(イ)のファインダーの範囲とフィルムに写っている範囲の違いは、カメラごとに違うので、カメラごとの説明は避けますが、要は視野率の問題です。
フィルムに実際写る範囲が、ファインダーでどれぐらい見えているかが視野率なのですが、「視野率100%」のカメラは一眼レフでも高級機種にならないとありません。
普通のコンパクトカメラになると、今度は、写すためのレンズとファインダーのレンズが別になっていることによっておこる「パララックス」と言う問題も出てきます。これは、特にカメラから至近距離で撮影したときに、ファインダーでは真ん中で撮影したのにフィルムでは真ん中に写っていないということがおこる原因になるものです。 ということで、とりあえず、ファインダーの範囲は、実際にはフィルムに写るような範囲で、フィルムに写る範囲と完全に同じではないことを覚えておいてください。
そして、画面の端が切れてしまう原因としてかなり左右されてしまうのが、(ロ)です。
根本的に、フィルムに写っている範囲(フィルムの画面サイズ)とプリントになる範囲(プリントの画面サイズ・一般的なふちのない機械焼きであればペーパーサイズ。)の長辺と短辺の比率が同じではない(それぞれの引き伸ばしサイズでもそれぞれに比率が違います。)ため、このようなことが起こってしまいます。
逆にフィルムの画面をすべて切れないようにプリントすると長辺側に余白が出てきてしまいます。そして、これは機械焼きではできないので、手焼きになり料金も高くなります。それに日にちもかかる店がほとんどでしょう。
また、応急措置として、写真屋さんでプリントするときにネガの位置をズラしてプリント(タテ位置の写真であれば上下、ヨコ位置であれば左右、方向のみ。)してもらうことが物理的にはできますが、作業の流れを止めないとできないので、忙しい写真屋さんでは嫌がられるのと、ズラした分、入れた側の逆側は、さらに切れてしまうので、両方切れてしまっている写真には何の解決になりません。あと、像の大きさを小さくする方法もあるのですが、通常のプリントを維持するには、あまり結果は期待できません。
長々と書き連ねてきましたが、じゃあ、結局どうすればいいのかということですが、
撮影時に少し小さめに(ファインダー)画面に余裕を取って撮影することが望ましいと思います。
少なくともファインダーの範囲いっぱいいっぱいに撮影するのは、そのカメラの視野率がそれなりに低いことを期待しないと必ずプリントで画面の端は切れてしまいます。最近では、機械焼きプリントの範囲をある程度想定して、あらかじめその範囲に合うように作ってあるカメラもあるようですが、普段から自分のカメラのファインダー範囲がどれくらいのもので、どのあたりの範囲で機械焼きプリントで切れるのかを知っておくのもいいと思います。
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