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横尾忠則 「東京Y字路」。

2010年11月09日 02時24分46秒 | アート・文化
東京Y字路東京Y字路
横尾 忠則

国書刊行会 2009-10-26
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この横尾さんの作品を観るたび、僕は、「負けた。」と思ってしまう。

写真に写る、2つの通りが、奥のほうまで見えていることを、同じように奥深くまで理解するたび、

僕は、いつも、そう思ってしまう。


以前、
僕は、写真学校の卒業制作として、街の通りの角ばかりを、4×5(シノゴ)のフィールドカメラを三脚につけたまま担いで、撮りあるいていた頃があった。

年末ギリギリまで、テーマが決まらず、迷い続けていた。
また、母が体調が悪い頃で、単位は足りていたこともあり、授業にもほとんど出ず、母の付き添いばかりしていた。

そこで、ゼミの先生がヒントをくれて、思いついたテーマがこれだった。
とにかく、やるしかなかったし、卒業できなくて親に迷惑をかけるのも嫌だった。
成人式の日も、同じ歳の晴れやかな姿を横目に、戎橋の橋の上で、4×5を構えていた。

それなりに特徴のある「街角」を何日もかけ、丹念に探し歩き、結構、気合いも入れて撮影しつづけた。

ただ、僕は、単純に普通の通りの角を撮っていた。
めずらしい店のある角。大阪を象徴するような角。
でも、僕の写真には、「角」しか写っていなかった。

横尾さんの、このY字路を見た途端、僕は、呆気にとられた。
単なる普通の街を撮っていながら、Y字路だから、写っている2つの通りが奥まで見える。
2つの通りの生活が、両方ともズラッと見えているのだ。
すなわち、1枚の写真で、2つの風景を撮影している、と言える。
写真を観ただけで、そこまで、理解できてしまったのだ。

だから、いつも、「やられた。」と思ってしまう。


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