「ママ、お水、お水!」。保育園から帰って来た娘の小さな手のひらには、ピンク色のつつじの花。「道ばたに落ちとったけん、お水やらんといかん」と、鼻をふくらませ、口をとがらせて言う。口の広いビンにお水を入れてわたすと、「早く元気になってね-」とほっとした様子。「よかったね。はんなに助けてもらって、お花もうれしそう」と言うと、「お花も生きてるんだよね、ママ」。普段は甘えん坊で、昼でも一人でトイレに行けない5歳の娘の優しい気持ちがうれしくて、娘の肩を抱いて、しばらく2人でピンク色のつつじの花を眺めていた。
熊本市北区 田尻真由美(32) 2021/5/22 毎日新聞鹿児島版掲載