
ソーメン流しは市内にも多数みられるが、本場は唐船峡である。ヒンヤリとした空気、ソーメンの味を堪能した。考えてみると亡父はソーメンが大好きで、ビールのつまみもソーメン、おかずはソーメン炒め、みそ汁にもソーメンである。子供心にソーメンがうまいものとは思わなかった。最近になり、おやじの嗜好に似てきたのか、ソーメンのオンパレードである。夏はアッサリした食物が好まれ、簡単に料理できる手ごろ感があるのだろう。しかし一番うれしいのはおやじの味が自分にもわかり、この味を息子にも伝えたい気になったことである。
鹿児島市 下内幸一 2017/8/28 毎日新聞鹿児島版掲載